キャリアビジョンがわからない~2段階昇進を実現したワーママ~

二宮美里さん(仮名)は、大手メーカーで販売企画の仕事をする35歳のワーママです。優秀な同僚が次々と辞めていく状況を目の当たりにして「転職すべきか、今の会社に残るならどういうキャリアを築くか」と悩んでいました。
二宮さんはキャリアビジョンに答えを出すために、CoParentsのコーチングを受講されました。結果だけ先にお伝えすると、二宮さんはコーチング終盤に、その時のポジションより、2段階上のポストのオファーをもらいました。
二宮さんのキャリアビジョンはどうなったのか。そしてなぜ昇進を実現できたのか、お話を伺いました。
(聞き手:CoParents代表・古村)
子育ての時間制約、次々に辞める同僚…キャリアビジョンが見えない
── まず、二宮さんのこれまでのキャリアと現在の状況を教えてください。
新卒から大企業のメーカーで、総合職として販売企画の仕事を10年ちょっとしています。5歳と3歳の子供がいて、フルタイムで働いています。
── CoParentsを知ったきっかけを教えてください。
第2子の育休中に参加していた「育休プチMBA®」というコミュニティで、他の方がCoParentsのことをお勧めしていたんです。素晴らしいなと感じて、CoParentsのInstagramをフォローしていました。
あと、私も育休中にコーチングの資格を取っており、元々コーチングにも関心があったんです。
── なんと嬉しい…!では、実際にCoParentsを申し込もうと思った動機は何でしたか?
キャリアビジョンを明確にしたかったからです。
会社の状況が悪化していて、優秀な同僚たちが辞めていく状況が続いていました。私も35歳。どんどん辞めていく同僚を見て、「転職すべきか、今の会社に残るならどういうキャリアを築くか」を真剣に考えなければいけないと感じていました。
でも、どんなキャリアにしたいかが全然明確になっていませんでした。
また、子育てをしていたら、消去法でキャリア選択せざるを得ない部分もあります。あの部署は上司がきつくて残業が多いからダメ、あそこは転勤があるからダメ、というように。
でも、私は前向きに自分のキャリアを決めたかったんです。そこで、キャリアビジョンを整理したくてCoParentsのコーチングに申し込みました。
──体験コーチングは隈部敦子コーチ(くまさん)と浅井種美コーチ(たみーさん)の2人と受けられました。最終的にくまさんで継続されましたが、その理由を教えてください。
コーチングでは相性が大事だと思っていたので、2人のコーチと体験したいと思いました。私のキャリアとの親和性があることや、私の子どもより大きいお子さんがいることに鑑みて、くまさんとたみーさんで体験を受けることにしました。
お二人の特徴としては、たみーさんは今に繋がる問いかけが多かったです。一方、くまさんは「この先どうしたい?」という視点が多かったと思います。
くまさんを選んだ決め手は、私が勉強したコーチングのやり方と全然違ったからです。限られた時間の中で、問題の本質への気づきを促してもらったと思います。
くまさんの体験コーチングで特に印象的だったのが、私が何かを話した時に「今、本当にそう思っているんですか?」と聞かれることが多かったことです。私の発言と心がリンクしていない部分を指摘してもらえたと思います。
私もコーチングを学んでいたので、自己理解できている「つもり」になっていたこともたくさんあったんだなと思います。くまさんのやり方は、「わかってるつもり」を軽やかに崩してくれた感じがしました。
これは面白いな、と思ってくまさんでコーチングを継続することを決めました。
キャリアビジョンの前に、上司の悩みを解消

── 継続コーチングはどのように進みましたか?
私は「問題を解決する9回コース」にしました。振り返ると、9回のセッションは大きく3つの章に分かれていました。1〜3回目は今後の進め方の大枠を決める導入、4〜6回目が私が何を大事にしているかの深掘り、7〜9回目は4~6回目で見つけた大事なことをどうキャリアへの落とし込むのかの検討、という流れです。
── では最初の1〜3回目、導入パートはどんな内容でしたか?
キャリアビジョンを考えるにあたって、先に自分の目の前の状況を整理しました。
私は、自分は会社の状況が良くないという外的要因に悩んでいると思っていました。でも、目の前の状況を整理することで、外ではなく、自分の中にモヤモヤがあるのではないか?と思い始めました。キャリアビジョンを考える前に、そのモヤモヤを取っ払った方がよいよね、ということで、目の前の課題に先に取り組むことにしました。
── 自分の中にある目の前の課題とは何だったのですか?
自分と違うタイプの上司とどう共生するか?という問題です。正直、上司がちょっと合わなかったんですよね。私の上司は放任主義なタイプで、アドバイスやフィードバックをしない方でした。上司は最近私の部署に着任したので、業務内容に詳しくなかったというのもあるかもしれません。
でも、私は成長したいので、アドバイスやフィードバックがほしかったんです。何も言ってもらえないと、自分の方向性が合っているのかわからなくて、不安でした。今の上司は、尊敬していた過去の上司とタイプが違うので、とまどっていました。
── くまさんとのコーチングで、放任主義の上司の問題とどう向き合ったのですか?
くまさんから、「前の上司と違って尊敬できない」という偏見を横に置いて、上司の良いところを書き出すことを提案されました。それを続けてみると、上司はチームをリスペクトして仕事を任せていること、放任しているけれどトラブルはないことに気付きました。
だから、そんな上司のマネジメントスタイルを受け入れ、上司と協調する方法を少しずつ探っていきました。アドバイスやフィードバックが欲しい時には、前の上司などに状況を話して、斜めからのフィードバックをもらうようにしたんです。今の上司からフィードバックを直接もらえないなら、別のルートで自分の成長を確認する。そういう切り替えができたのが、この時期の大きな変化でした。
ありのままの自分でいたい、というキャリアの軸を見つける
── 何を大事にしているかを深掘りした4〜6回目はどんな内容でしたか?
自分が本当に何を大事にしているのかを考えるにあたって、どんな「Being(あり方)」でいたいのか、という本質的な深掘りをしました。
── CoParentsにいらっしゃるような真面目なワーママさんは、Doing(何をしたいか)でキャリアビジョンを考えることが多いです。もちろんDoingも大事なのですが、Doingの目標しかないと、何かを成し遂げられなかった時に自分は無価値だと思ってしまうリスクがあると思います。
それに、Doingの目標は今の職場・今の部署が前提になることが多いので、プランが変わった時に振り出しに戻ってしまう感覚もあると思います。だから、Beingベースの目標は大事です。
二宮さんのBeingの目標の内容をぜひ教えて下さい。
コーチングセッションを重ねて出てきたのが、「信じる」「希望を持つ」「公平性」という3つの価値観でした。どれも昔からずっと自分の中にあったものだと思いますが、言葉として明確にできたのはこの時が初めてでした。
この3つの価値観を大切にして生きるためにどうしたらいいのか?を考え、辿り着いた結論は「ありのままの自分でいたい」ということでした。
── 「ありのままの自分でいたい」というBeingの目標に辿り着いた経緯をもう少し詳しく教えて下さい。
「ありのままの自分でいたい」というフレーズは、過去の経験を振り返るセッションの中から出てきました。過去の留学生活や海外駐在時の仕事での成功体験を振り返っていくと、困難を乗り越えられた時は、計算したり、よく見せようとしたりしていた時ではなく、相手に本心をぶつけていた時だと気付きました。
それに気づいた時に、「ありのままの自分でいること」こそが自分の人生の軸だ、と腑に落ちました。自分の強みも弱みもそのままに、素の自分でいることが、自分にとって楽だし、成果も出しやすいのだという結論に至りました。
みんなにも素の自分を大切にしてほしいから、私は管理職になる
── 7〜9回目は「ありのままの自分でいる」という人生の軸をキャリアに落とし込むフェーズだったと思います。どのような展開でしたか?
マネジメントをしたい、と思うようになりました。
私もありのままの自分でいたいけれど、周りの人も素でいられる状態を作りたいと、心から願うようになりました。そのために、みんなにも素の自分を大切にしてもらえるような影響力を持ちたい。だから、マネジメント職になろうと決意しました。
すると、くまさんから「どんなマネジメントをしたいですか?」と質問されました。私は「信じて、気づきを与えて、背中を押していく存在になりたい」と感じたので、そう答えました。
振り返ると、私は過去の上司や周りの方に、ありのままでいられるようにサポート頂いていたと思うんです。上司や先輩たちが、ありのままの私を信じて、仕事を任せてくれた。挑戦させてくれた。だから、今の私がいます。
私が頂いた恩恵を、今度は私が他の人に提供したいと考えています。
── とても素敵なマネジメントスタイルですね。キャリアビジョンについて、何か他にコーチングで取り組んだこと、気付いたことはありますか?
くまさんから抽象的な質問をされたのが印象的でした。「望むマネジメントスタイルができたとき、どんな風景が見えますか?」というような質問だったと思います。
私の中で、北海道の6月の新緑の中でのんびりしている自分が思い浮かびました。私、この季節が1番好きなんです。好きな季節の中の風景の中で、心地よく、すがすがしい。自分の中にエネルギーが湧いてくる。そんなイメージが思い浮かびました。
── マネジメントスタイルを考える上でも、Beingが大切なのだと感じる内容ですね。先例のない問題に直面して、何をするのが正解かがすぐに分からない時も、自分がどんな状態になるのがベストがわかっていると、判断を下しやすいですよね。
2段階昇進を実現

── コーチングを通じて、ご自身の中で確固たるキャリアビジョンを見つけられたと思います。その結果、キャリアについて具体的にどんな変化があったかをお伺いしたいです。まず、当初の悩みは「転職すべきか、今の会社に残るならどういうキャリアを築くか」ということでしたが、転職について今はどのように考えていますか?
現時点では、今の会社で管理職になって頑張りたいと思っており、転職希望はありません。
実は体験コーチングと継続コーチング初回の間に、転職エージェントや他社で人事をしている友人に転職について相談しました。その中で、子どもが小さい中で転職するのは得策ではないと思うようになりました。だから、継続コーチングを始めた段階で、既に転職の意向は薄くなっていたので、コーチングを通じて、「私は転職じゃなくて、今の会社で頑張りたいんだよね」というチェックをした形になります。
コーチングの後半で、これまでの上司や先輩が私を信じて色々な仕事をさせてくれたおかげで成長出来たという感謝の気持ちが自分の中に強いことに気付きました。
── 「ありのままの自分でいる。周囲にも素の自分を大切にしてもらう。」という目標に向かって、そしてこれまでの恩返しをするために、今の会社で頑張ることを決意されたのですね。キャリアや日々の業務で具体的な変化はありましたか?
たくさんありました!今与えてもらっている環境で、新しい視点や経験を得て成長したいと思うようになりました。そのために何ができるだろうと考えて、社内であるプロジェクトを立ち上げました。予算が少ない中で、過去30年誰もやったことがないような大プロジェクトです。
── それはすごすぎる…!!今の会社で「素の自分を大切にする」という並々ならぬ決意の表れですね。
これまでは、育休でキャリアが遅れているという感覚があって、自信がなかったんです。でも、そんな自分だからこそできることがあるという視点に切り替えました。予算がない、前例がない、を言い訳にせず、私が持っているものに目を向けたいと考えました。
そして、昇格試験も受けました。実は2年前から昇格試験の話は出ていたんです。コーチングのおかげで、私がどういうマネジメントをしたいか、どんなキャリアビジョンを持っているかを自信を持って言えるようになりました。だから、絶対に昇格試験に受かりたい!会社の状況とかを言い訳にしないでやる!と決意して受けたんです。
その結果、2段階上のポジションへの異動が決まりました。「残業できなくてもサポートするからあなたにやってほしい」と言って頂きました。
いざチャンスを得ると、「私にできるだろうか」と不安になりました。でも、私はチームメンバーに素の自分を大切にしてもらうようなリードをしたい。また成長できる良い機会を頂けたと考えるようになりました。
やはり、「私は素の自分のままで大丈夫」という思いが自信に繋がりました。
キャリアに軸足を置いたワークライフバランス
── コーチングセッションの中で、印象に残っているくまさんの言葉はありますか?
「無理にワークとライフを分けなくてもいいんじゃない?」という言葉です。
これまで、仕事とプライベートは別物として切り分けなければいけない、と無意識に思っていたんだと思います。だから、くまさんのその言葉を聞いた時にふっと力が抜けた感覚がありました。
家でも職場でも同じ自分でいられること。それが「ありのままの自分でいる」ということだと気付きました。両者を常に分けようとするから苦しかったんだな、と思いました。
── くまさんの言葉を通じて、ワークライフバランスの点でも「ありのままの自分を大切にする」という人生の目標を適用して考えることができるようになったのですね。ところで、実際のところ、仕事と家庭のバランスはどのように取っていますか?
正直、仕事と家庭のバランスについてはあまり悩んでいませんでした。キャリアビジョンが見えなくて悩んでいましたが、キャリアを大切にしたいという思いは自分の中で明確だったからです。私自身が自分の人生を楽しまないと、子どもも楽しくないんじゃないかなぁと思っています。
ワークライフバランスの具体的なところで言うと、配偶者と連携しつつ、海外出張時や仕事が忙しい時はシッターさんのサポートを最大限に活用しています。シッターさんには子どものお迎え、食事、入浴までお願いすることもありますね。
周囲の期待に応えるより、ありのままの自分でいる
── コーチングを受ける上で、意識していたことはありますか?
「自己開示すること」と「自分に嘘をつかないこと」の2つです。
もし私の考えが世間一般の考えと違っていても、心の中に湧き上がった言葉の全部をくまさんに話すようにしていました。無理して言語化するのではなく、心に浮かんだ言葉を隠さずに言うことを大切にしていました。
くまさんの質問に対して言葉を出していくと、自然と自分の考えがまとまっていったような感覚がありました。
── コーチングを通じて、一番大きく変わったのはどんなことですか?
「ありのままの自分でいい」という確信が持てたことです。それが私のキャリアの軸になって、前例のないプロジェクトに挑戦したり、昇進を実現することができました。
どこかで「みんなの期待に応えないと」という気持ちが私の中にあった気がします。多くのワーママさんがそう思っているのではないでしょうか。でも、コーチングを通じて「ありのままの自分でいる」ということを肯定できるようになりました。
── 最後に、コーチングを勧めたいのはどんな方ですか?
CoParentsの素晴らしいところは、仕事と家庭の2つが混ざり合っているワーママに対して、その両者を切り分けずに、悩みや人生・キャリアのビジョンと向き合うことをサポートするところだと思うんです。
だから、私はぜひCoParentsのコーチングは、仕事と子育てという二つの要素がぶつかり合って悩んでいる、洗濯機の中にいるような人に受けてほしいです!CoParentsなら仕事のことも、家庭のことも、まるっとOKです(笑)
あとは「何が正解なんだろう」という答えが見つけられなくて悩んでいる人ですね。
加えて、ワーパパにも良いと思います。ワーパパも時間がないうえに、女性より男性の方が自己開示しない傾向がある気がします。だからこそ、こういう場で腹を割って話すことが重要な気がしますね。
── 実は…最近ワーパパさんもちらほらいらして下さっているんです。CoParentsの究極のミッションは「親を幸せにする」なので、私達の気持ちはママさんに限ったものではありません。ぜひパパさんにもどんどんいらしてほしいですね。
二宮さん、お忙しい中、インタビューへのご協力ありがとうございました!
おわりに
二宮さんは、「ありのままの自分を大切にしたい」という自身の価値観に気付きました。そして、ご自身のキャリアビジョンを、特定の会社や仕事ではなく、この価値観に紐づけて、「私も周りの人も素でいられる状態を作りたい」と設定しました。
二宮さんがお子さんがいながら先例のないプロジェクトを立ち上げたり、2段階昇進を実現できたのは、もちろん二宮さんが元々仕事ができる人だったことが大きいでしょう。しかし、人生の価値観に紐づいた、ご自身が心から目指したいキャリアビジョンを見つけたことで、キャリアアップのための行動を取る強いモチベーションが生まれたというのも、非常に大きな理由だと思います。
心のどこかでキャリアを大事にしたいと思いつつ、家庭を理由に躊躇している方。そして、二宮さんのようにキャリアビジョンに悩む方。ぜひCoParentsの体験コーチングにいらしてください。形だけじゃない、本質的なキャリアビジョンを一緒に見つけませんか?
二宮美里さん(仮名):35歳。新卒から、メーカーにて販売企画の仕事に従事。夫と5歳、3歳の子どもの4人家族。

隈部 敦子 (二宮さん担当コーチ)
CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)
大学卒業後、大手総合食品メーカーで20数年勤務。事業企画・マーケティング・宣伝部門に従事。
プライベートでは高校3年の息子、中学2年の娘と忙しくもにぎやかな毎日を過ごしている。
コーチングとの出会いは子育ての悩みから。仕事・子育てにいっぱいいっぱいですべてが中途半端・・・
一体何のために生きているんだろうという中でコーチングを体験し、人生が大きく変わったと感じている。
