ママ管理職、テトリスゲームオーバーまであと1行

今回は、新米管理職の下山友美さん(仮名)のお話です。

2人目のお子さんが保育園を卒園するタイミングで課長になった下山さん。常にテトリスで「あと1行でゲームオーバーになる…!」というくらい余裕がなかったそうです。

そんな中で、藁にもすがる思いで始めたCoParentsのコーチング。下山さんはコーチングで、これまですることなかった、できなかったことを、するようになります。

ママ管理職の下山さんの葛藤と成長の軌跡をぜひご覧ください。

(聞き手:CoParents代表・古村)

目次

初の管理職でもう限界!

── まず、これまでのキャリアと現在の状況を教えてください。

製造業の会社で輸出に関する仕事をしています。大学を卒業後、英語が使える仕事をしたいと思って今の会社に入りました。

しかし、入社から6年目頃までは英語を使う仕事には恵まれませんでした。そして、「ようやく海外営業の部署に異動できる!」というタイミングで妊娠。せっかく海外営業の部署で働けるようになったのに、妊娠中だからほとんど海外には行けずじまいで。そして、そのまま第1子の産休に入りました。

育休から復職した後も、思いっきり働けない状態が続きました。当時は在宅勤務はない。子どもはすぐに熱を出す。せっかく海外営業の仕事ができる機会に恵まれたのに…という残念な気持ちと、「こんなものなのかな。仕方がないのかな。」という諦めの気持ちが混ざり合った状態で過ごしていました。

その後、第2子を出産。コロナ禍を経て少しずつ仕事に慣れてきました。「一生主任で良いかな」と思っていましたが、玉突き人事で課長、つまり管理職になりました。

── 想定外の課長職だと、なかなか辛かったのではないでしょうか。

当時のチーム状況は、20代半ばの女性社員が1名、もうすぐ産休に入る社員が1名、あとは新入社員や中途入社したばかりの社員という構成でした。私自身が管理職に慣れていないのに、会社のことをまだよく分からないメンバーを抱えることになったんです。

管理職になって1年が経ったころ、「もう無理だな」と思って退職しようと思いました。上司に「仕事が多すぎて無理です」と話したら、「君の考え過ぎだよ~」とあまり取り合ってもらえませんでした。あぁ、自分を守れるのは自分しかいないんだ、と思いましたね。

環境を変えるには限界がある。だったら、自分自身を立て直すために、自分で何かできることはないだろうか?と思って、色々探している中でCoParentsに辿り着きました。

管理職で疲弊した自分を、自己内省で立て直したい

── 初めての管理職でキャパオーバーの中で、ご自身を立て直す手段としてCoParentsを見つけて下さったとのことですが、一体どのようにしてCoParentsに辿り着いたのですか?

当時、藁にもすがる思いで色々調べていた時に、勤務先を退職した元先輩に会う機会がありました。その先輩がコーチングを受けているとおっしゃっていて、「コーチングってなんだろう?」と思って調べ始めました。

調べていると、コーチングはカウンセリングやメンタリングとは違うものだとわかってきました。そうやってコーチングについて調べていたら、CoParentsが出てきたんです。

CoParentsのウェブサイトには「自分のあり方を自分で見つけ出す」「コーチングを卒業した後も自分で悩みを乗り越える力を養う」「コーチングを卒業した後も、必要があればいつでも戻ってきていい」という考え方が示されていました。

すごくいいなぁと思いました。誰かに答えをもらうのではなく、自分の力を信じて自走したい。CoParentsだと自走に必要なとっかかりを得られるのではないか?と感じました。

── 隈部敦子コーチ(くまさん)と磯山江梨コーチ(えりさん)の両名と体験コーチングを受けられました。最終的にえりさんでコーチングを継続されましたが、そこに至った理由を教えて下さい。

コーチングを継続したのは、自分にだけフォーカスする時間を取るのが目新しく、面白かったからです。これまで、特に子どもが生まれてからは、自分のために時間を使うとか、自分を振り返る時間を取るということをしたことがありませんでした。だから、体験コーチングで自分を振り返る時間は不思議で、すごく良い時間でした。

あと、体験コーチングを受けた時、「体を動かしましょう」というアプローチがあったんです。体を動かしながら自分の思い、本音を探っていく、みたいな感じです。正直、「これで自分を見つめ直すことができるんだろうか?」と疑問に思いました。でも、すごく斬新で面白かったんです。

だから、こんな特別なやり方で自分を振り返る時間を確保しても良いんじゃないかな、と思いました。

コーチの選択については、くまさんが元気な感じで、えりさんがおっとりした雰囲気だったんです。当時の私は疲れ果てていたので、えりさんのゆったりとしたアプローチが合っていると感じました。もし当時の私がもっと自分を伸ばしていきたい、前向きに自分について考えたいという感じだったら、くまさんを選んでいたかもしれません。

あと、えりさんが息子たちがお世話になった保育園の先生に似ていて、勝手に親近感を持ちました(笑)。

自分の時間を取れなかった

── えりさんとの継続コーチングはどのように進みましたか?

私は「鍵を見つける6回コース」に申し込みました。

ただ、継続コーチングを受けるにあたって、私には大きな壁がありました。

── どんな壁があったのでしょうか?

私は、自分のために時間を使うこと自体が、すごく苦手だったんです。

私は土日に継続コーチングを受けていました。一方、我が家では平日は仕事で忙しい分、週末は家族で過ごすという雰囲気が根強くありました。だから、「ちょっと自分の時間が欲しい」と家族に言い出しにくかったんです。家族の共有カレンダーにコーチングの予定を入れることに抵抗がありました。そのせいで、結局セッションがあることを忘れて、予約時間に遅れてしまうことが多々ありました。

でも、夫から「コーチの方に失礼だよ」「家族の共有カレンダーにちゃんと書きなよ」と注意されました。だんだん家族も、「ママには月1回60分、一人時間がある」ということを理解してくれるようになりました。でも最初は、家族で過ごす前提の時間帯に、自分のためだけの時間を作ること自体に苦労しました。

── 貴重なエピソードの共有をありがとうございます。自分の時間を優先させることに抵抗があった、というのも下山さんがご自身の内面を知る一助になったのではないでしょうか?では、セッション自体はどうでしたか?

自分を振り返るという新しくて面白いことがしたい!と思ってコーチングの継続を決めたはずでした。でも、実際に自分を振り返るプロセスは正直苦痛でした。自分を振り返って言葉にしようとすると、なかなか言葉が出てこなかったんです。それが辛くて。

私が詰まるたびに、えりさんが「そうなんだ」と言って、柔らかく笑いながら、ゆっくり待ってくれたんです。最初の2~3回は「うまく話せなくてもいい」とわかったのが収穫でした。この振り返りは、普段の生活にはない新しい体験だったな、と思います。

完璧じゃない私が見つけた、落ち着ける方法

── コーチングのために時間を確保し、自分を振り返ることに慣れてきたのは6回のコーチングの中盤でしょうか。その辺りのセッションの内容はいかがでしたか?

えりさんとの会話の中で「目を閉じる」という行為について話す場面がありました。毎朝ヨガをしているという話をしたのがきっかけだったと思います。

でも、振り返ってみると、寝る時以外に目を閉じるという行為を全くしていなかった、ということに気づいたんです。ヨガの時も仕事のこととか考えてしまって、目を閉じて集中することができていませんでした。

えりさんと「目を閉じることで自分をニュートラルな状態に戻しましょう」という話をしました。すると、朝のヨガの時間を、ただヨガの動きをするのではなく、ちゃんと集中して自分を振り返る時間として意識的に使えるようになりました。日々1回、自分に戻る時間を持てるようになったのは、小さいようで大きな変化でした。

── ここまでのお話はほぼすべて、「自分の時間を持つ」ということへの試行錯誤のように聞こえます。自分の時間をもって、自分を振り返るというのは、当時の下山さんが潜在的に欲していながらも、なかなかできなかったことなのかもしれませんね。徐々にご自身と向き合うことを習慣にする中で、ご自身の内面について気付きや変化はありましたか?

私は自己理解を深めるのに苦戦しました。

えりさんと「エレメント探し」というワークをしました。自分の内面にある様々な要素(エレメント)を見つけて、名前をつけることで、自分の状況や性格を客観視するものです。えりさんと一緒に頑張ったのですが、私はこれがなかなかうまくできませんでした。

個人的には、このワークをもっとうまくできたら、もっと自分のことを深掘り出来たんじゃないかなぁと今も思っています。

一方で、すごくしっくりくるワークがありました。

── お、それはどんなワークですか?

私には尊敬している先輩がいるのですが、えりさんの提案で、「心の中に尊敬する先輩の視点を持つ」というのをやりました。これが私には合っていました。

仕事などで切羽詰まって、「うわーーーーーー!!!」となっている時に、「あの先輩だったらどう考えるだろう?」と冷静に考えられるようになったんです。

私はどうしても完璧な人にはなれない。でも、尊敬する先輩の視点を借りることで、少し落ち着けるようになりました。

コーチングと社外メンターの両輪

── コーチングを受けて、自分を大切にする時間を取ったり、自分を良い状態に持っていく方法をじんわりと体得されていったのですね。その他、コーチングが下山さんにもたらした影響はありますか?

実は、CoParentsのコーチングを受け始めて少し経った頃、勤務先が提供する女性管理職向け社外メンター制度も利用し始めました。複数の社外の女性役員や課長職の方とお話する機会に恵まれました。

個人的には、コーチングとメンターをセットで受けたことが良い結果に繋がったと思っています。

── 社外メンターセッションではどんな気付きがありましたか?

色々な女性管理職の方とお話して印象的だったのは、どの方も本当に楽しそうに管理職をやっていらっしゃる一方で、「どの人も完璧な人ではないのだろうな」ということが伝わってきたことです。

みんな完璧じゃない。でも、

「私の強みはここだから、こういうやり方でやっていく。」

「迷いながらでも、自分を信じてやってみる。」

とそれぞれに前向きな姿勢を持っていらっしゃいました。

── そんな社外メンターセッションとコーチングをセットで受けたことで、どんな気付き・変化があったのですか?

CoParentsのコーチングで自分の考え方の癖や生きづらさの原因を振り返る。メンターセッションでは、様々な女性管理職の方のリアルな姿を見せてもらう。その両輪のおかげで、「きと私にも、自分なりのやり方がきっとある」と信じられるようになっていきました。

私の前任の課長さんは何でもできる方でした。きっと私は同じやり方はできないし、あのレベルには到達できない。でも私という人間の特徴を活かした、自分だけのやり方があるに違いない、と思えるようになりました。

── コーチングとメンターセッションの両輪で、他者と自分を比較することが減り、自分なりの管理職のあり方を見つけるというマインドになっていったのですね。ところで、コーチングとメンターセッションは具体的にどんな違いがありましたか?

コーチングは、仕事や家庭の枠に囚われずに、自分の内側を見つめる時間でした。一方、メンタ―セッションでは、女性管理職の方の様々な経験談を教えてもらったり、自分が仕事で置かれている状況を伝えて、フィードバックをもらう時間、という感じでした。

コーチングとメンターセッションは違うものでしたが、どちらも「1人で抱え込まず、誰かに話を聞いてもらうことの大切さ」に気づかせてくれました。

あと、コーチングを受けて「自分のために時間を使う」ということを始められました。そして、「自分のための時間を持つことが私には必要なんだ」という感覚が生まれました。それがメンターセッションへの参加にも繋がったと思っています。

管理職としてどこまで任せるか、どこからサポートするか

── コーチングを受け始めた頃は、管理職としての限界を感じられていましたよね。現在は、管理職の仕事についてどのようにお考えですか?

管理職になるまでは、自分のこと、あるいは自分のすぐ近くにいる少人数のことを守ればよかった。「チームで結果を出せていればそれでいい」という感覚でした。チームのメンバーに自分がどう思われるか?チームのメンバーをどう育成するか?ということは考えていませんでした。正直、生活や子育てで精一杯だったというのもあります。

でも、管理職になって、特に若い女性が多いチームを担当することになって、「この人たちが将来に希望を持てるように私が振舞わないとなんか夢がないな」と考えるようになりました。

そんな思いで、私は無理をしていた気がします。私とチームの子達の経験年数に差がある。そんな中で、彼女達に見えていなくて、私が見えているものを、どうやって咀嚼して、どこまで伝えたらいいかがわからない。そんな状態でした。無意識のうちに、私が色々引き受けることが多かった気がします。

── 管理職としてメンバーにどう向き合うかは、永遠の課題ですよね。ちょっと気負って頑張り過ぎたことで「もう無理」となってしまっていたのかもしれませんね。

そうですね。でも、えりさんとのセッションの中で、「私が何もかも背負いすぎると、自分ができる限りのカバーをして犠牲になればいいと思ってしまうと、自分だけでなくメンバーのみんなも苦しくなる」ということに気づきました。頼ってもらえた方が、相手も嬉しいのではないか、と。

それからは、どうやったら「人に頼る・任せる」を実践できるのか、えりさんと一緒に考えるようになりました。今も試行錯誤中です。1回、部下の子に仕事を任せてみたら、その子が溺れそうになっていました。その時に、どこまでサポートの手を出すかのさじ加減は、今も明確な答えは出ていません。

でも、「人に任せる・頼ることを念頭に置いた方が、自分が少し楽になれる」という感覚は持てるようになってきました。

──管理職、続けたいですか?

ぶっちゃけ、プレイヤーの方が良いなとは思います。でも、管理職になって見えた景色は、プレイヤー時代にはわからなかったものです。

でも、仕事を辞めたいという思いは今はありません。私の会社は女性管理職が少ないんです。そして私のチームには女性のメンバーが多い。もう気負い過ぎないようにはしますが、やはり彼女達が「この会社で働き続けてもいいかもな」と思える会社にしたいなと思います。

テトリスは2~3行の余裕ができた

── コーチングを始める前と今とで、一番変わったことは何ですか?

テトリスで言うと、コーチング前は、常にあと1行でゲームオーバーになる状態でした。今は2〜3行はある感じがします(笑)忙しさ自体はあまり変わっていないんですが、限界感は薄れました。

限界感が薄くなったことに加えて、「自分のために時間を使っていい」という感覚が生まれたことも大きいですね。あとは、1人で全部何とかすることはできないこと、誰かに話を聞いてもらうことが大事だと気付けました。

── 担当コーチのえりさんの言葉で印象に残っていますか?

えりさんに強烈なフィードバックをもらった、という感じではないです。えりさんに何を話しても「そうなんだね」と言って、微笑んでくれる。否定しないし、過剰な肯定もしないという受け止め方が印象に残っています。

私は夫以外の人とリラックスして話せる場がほとんどなかったので、えりさんの醸し出す「何を言ってもいい」という雰囲気がとてもありがたかったです。

あと、えりさんに「管理職になって、砂漠のど真ん中で、ピヨピヨした若いメンバーを4〜5人引き連れて、『とりあえず進め』と言われている気がする」と話したことがありました。すると、えりさんが「それは大変ですね」と受け止めてもらえた。それで、少し楽になれた気がします。

── 「否定も肯定もせずに相手を受け止める」というのは実はかなり高等な技術です。普通の人は、相手の話を聞いていると、どうしてもなんか言いたくなったり、過剰に共感を示したくなったりするものなので…最後に、これからコーチングは継続されますか?

今は心の状態がポジティブなので、自分で自分をお手入れできるか、しばらくトライしたいと思います。

今はコーチングも卒業して、メンターセッションもストップしています。でも、自分を振り返ることを強制的にはやっています!

── 下山さん、貴重なお話をありがとうございました!

おわりに

ママ管理職の下山さんが、「テトリスがあと1行」の限界感から一歩抜け出せた理由。その1つは、これまではなかった「自分のために時間を使っていい」という感覚を得たことです。

また、下山さんはご自身を振り返る中で、自分で背負い過ぎてしまう思考の癖に気付いたり、いっぱいいっぱいの時に自分自身を立て直す術を見つけられました。

そんな下山さんの、「正直プレイヤーの方が良い」という言葉には重みがあります。それでも、「後輩の女性に希望を持ってもらいたい」と願って頑張る下山さん。もし、これから自分で背負い過ぎていると思ったときは、CoParentsのコーチングを思い出して下さい。ご自身を大切にすることで、後輩への光となって下さい。テトリスを楽しんでいきましょう。

CoParentsではキャリアも家庭も両方大切にしたい会社員ワーママさんにコーチングで伴走します。この記事を読んでCoParentsのコーチングに興味を持って下さった方は、ぜひ体験コーチングをお試し下さい。

下山友美さん(仮名)

41歳。製造業にて海外営業職として勤務。現在は管理職。夫と11歳の娘、7歳の息子の4人家族。

磯山 江梨 (橋本さん担当コーチ)

CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)

グラフィックデザイナーを経て日系ベンチャー企業で約15年勤務。広報/PRを経て、現在は時短社員として人事に従事。プライベートでは小3の息子の母。息子との限られた時間と仕事とのバランスを模索しながら楽しくやっている。

出産・育休復帰後に仕事と育児の両立でパンクし、うつで休職。

復帰後も人との関わり方に悩み、ライフスキルとしてコーチングを学び始め、生きるエネルギーを取り戻す。

現在は人事業務と並行して、社内外でコーチングを提供するほか、地域へのコーチング啓蒙活動などにもマイペースで関わりながら「今しか体験できない子育て期を満喫する」をモットーに暮らしている。

※コーチプロフィールは記事掲載時のもの

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

仕事と子育ての両立や今後のキャリアに悩みを抱えるワーママをコーチングでサポートする会社。コーチング予約累計数780時間。

目次