田丸加奈子さん(仮名)は製造業の総合職として活躍する38歳のワーママ。10歳と3歳のお子様を育てながら、会社ではリーダー職を務めています。
CoParentsで受けたコーチングは通算15回。コーチングを通じて、田丸さんがどのように悩みに向き合ってきたかを前・中・後編の3回シリーズでお届けしています。
前編では、田丸さんが育休明けの新しい課&リーダー職&繁忙期をどう乗り越えたか、子育ての軸をどう見つけたかを紹介しました。
中編では、二転三転する異動話に翻弄された田丸さんが、どのように前向きに仕事と向き合ったかを紹介しました。
最終回となる後編の本記事では、田丸さんが時々の悩みに向き合う中で辿り着いた1つの結論の話を伺いました。(聞き手:CoParents代表・古村千尋)
マイパーパスが見つからない
–異動の二転三転の後にはどんなことをコーチングで話したのですか。
はい、また新たな問題が仕事で発生しました。会社から全社員に「マイパーパス(※)を考えよ」という指令が出たんです。でも、なかなか自分のやりたいことが見つからず、悩んでしまいました。
※個人の存在意義や生きる目的
—キャリア10年超えでも「自分のやりたい仕事がわからない」というワーママさんはCoParentsにもたくさんいらっしゃいます。田丸さんはゆうたさんとのコーチングでどのようにマイパーパスと向き合ったのですか?
最初は「心を動かすキーワードがあればメモしておきましょう」となったんですけど、全然見つからないんです。私は何か夢中になれるものが欲しいと思ってはいるんですけど、見つからないんです。
「どうしよう」とゆうたさんに話したら、「なぜ目標に向かって頑張らないといけないと思ってるんですか?」と聞かれたんです。目から鱗でした。そこで、「私はなぜ目標に拘るのか?」という点を深堀していきました。
答えをくれたのは、涙を飲んだ10代の私

–マイパーパスを見つけることを所与の前提にはせずに、なぜ目標に向かって頑張る必要があるのかという、そもそも論から考えたのですね。
はい。まず、昔から目標に向かって頑張る人が多い環境にいたとゆうたさんに話しました。すると、ゆうたさんが、「それってどんな環境?」とどんどん更問を投げかけてきました。正直、「そんなところまで話飛びます??」というレベルの更問が続きました。
ゆうたさんと対話を続ける中で、昔我慢して封印した気持ちを思い出してきました。私は本当はもっと自由に大学を選びたかった。もう過去のことだと思っていたけれど、「やりたいことを選べなかった」という思いがずっと私の根っこにはあったんですね。
だから、「子供にはお金のせいで物事を諦めてほしくない」と強く感じました。マイパーパスの話から逸れますが、自身の根っこにあった過去の強い思いが、今の自分に影響していると気付けたんです。
で、今の私はどうなんだろう?と。ゆうたさんと話すうちに、過去に行先を制限された経験から、「何事にも縛られずに自由に生きたい!」が私の本音なんだと、ハッと気づきました。目標という存在にも縛られたくない。私はその時その時に面白い!と思ったものに全力投球したい。
–田丸さんの中でかなりインパクトのある気付きだったようですね。
これまでのコーチングの中で最もインパクトのある気付きです。コーチングを始めた当初に「誰の目も気にせず、キラキラ輝きたい」という人生のテーマを見つけていました。でも、どうすればそれができるのかピンと来ていませんでした。
でも、最初に見つけたテーマと「何にも縛られないで自由に生きる」という方針が自分の中で綺麗に繋がったんです。…会社に提出するマイパーパスはどうするかはさておき(笑)
ピラニアのように生きたい
–誰の目も気にせず、楽しいと思ったものに全力になってキラキラ生きていく。素敵ですね。とはいえ、日々の生活でどう実践するのでしょう?
ゆうたさんとは、「楽しいと思ったものが出てきたら、すぐに飛びつける自分にしておく」という話をしました。そのために大事なのは体力です。エネルギーが残っていないと新しいものに飛びつけません。
だからエネルギーを残すために、仕事も子育ても頑張りつつも、頑張り過ぎないことを意識しています。
そして、ゆうたさんは「楽しいものにすぐ飛びつく」様子を「ピラニアみたいだね」と言っていました(笑)。普段はぴょーと泳いでいるのに、獲物が来たらパクっと食らいつく。私もそのイメージにしっくりきました。
–自分がどうあるべきか、ビジュアルのイメージがあると、わかりやすく目指しやすいですよね。
私は、コーチングは目標を見つけて、進むことをサポートするものだと思っていました。でもコーチングを受けても目標は見つかりませんでした。むしろ目標はいらないと気付きました。
でも、自分がどう生きたいか、はっきりとわかりました。ピラニアのように生きていきたいです(笑)
–目標とは違いますが、田丸さんが生きる上での方針がはっきりしたんですね。それが見えたら、今後のキャリアも子育ても悩みにくくなるし、悩んでもご自身で解決できるようになると思います。
本当にそうですね。この1年は仕事面で色々あって、良くも悪くも濃厚でした。病まずに走り続けられたのはゆうたさんにコーチングで伴走して頂いたからです。
–今後もコーチングを続けたいと思われますか?
はい。2~3ヶ月に1回くらいのペースで、心のメンテナンスとして続けていきたいと思っています。仕事で抱える問題について話したり、自分がどうしたいのかを考えたりする時間に使いたいです。
–最後に、どのような人にCoParentsのコーチングをお勧めしたいですか?
今の自分に満足していないけれど、何がモヤモヤするのかわからない人ですね。現状をもうちょっと良くしたいけれど、何を良くしたらいいのかわからない人にお勧めしたいです。
–田丸さん、貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました!
中立的に。現実的に。
大企業で総合職として活躍するワーママである田丸さんが、コーチングを通じて、「目標に縛られずに、楽しいと思うものを見つけたら、すぐに飛びついて全力投球する」という生き方に辿り着いた話を伺いました。
「コーチングはキャリアアップを目的としている」と思われがちです。キャリアアップを目的にコーチングを活用する方も、もちろんいらっしゃいます。今回の田丸さんも、大企業でリーダー職を勤めるキャリアワーママです。
しかし、田丸さんが追求したのは、キャリアアップではないと思うのです。どう悩みや辛さと向き合うのか。どう楽しく生きるか。田丸さんが追い求めたのは幸せになる生き方だと思います。
「親である人が幸せに生きることで、そのお子さんも幸せに生きられる。」
これは、CoParentsが最も大切にする価値観です。
幸せになる手段は人それぞれです。キャリアアップかもしれないし、別の方法かもしれません。CoParentsは幸せになる手段について中立的です。特定の手段を、一律にお勧めすることはありません。
また、もう1つ特記したいのは、田丸さんが「楽しいことにすぐ飛びつけるように、仕事と子育てだけで100%エネルギーを使い切らない」といコーチと決めた点です。方向性を見つけるだけで満足してしまうと、日常生活は変わりません。実践することが大事です。CoParentsのコーチングでは実践フェーズまできちんとコーチが伴走します。
CoParentsはこれからも中立的に、現実的に、親である人を幸せにするための1つのアプローチとして、コーチングを提供していきます。この記事を読んでCoParentsのコーチングを受けてみたい!と思った方は、ぜひ体験コーチングをお申込み下さい。
田丸加奈子さん(仮名)
大企業の製造業で総合職として働く38歳。プライベートでは10歳の息子さん&3歳の娘さんのお母さん。

松本 裕太 (田丸さん担当コーチ)
CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)
大学卒業後、日系大手化学メーカーにて、財務・事業企画・営業を経験し、15年間勤務。
現在は、コーチングを提供しながら、企業研修・パパママ向けワークショップファシリテーター等々、多方面に活動中。
適応障害や不妊治療を経験し、約10年間一人で問題を抱える日々を過ごす中で、パートナーにも言えないようなパーソナルな問題を誰かに聞いてもらうことの重要性や共に未来を考えてくれる人の有難さを痛感し、コーチングを待っている人がたくさん居るはずだ!との想いから、コーチングに従事。
誰しも「人生の主人公」としてイキイキと自分の人生を歩ける可能性を言じ、共に前に進んでいきたいと思うと同時に上手くいかない時・苦しい時に、ポロっと本音が出せる家のような存在で在ることを目指す。