田丸加奈子さん（仮名）は製造業の総合職として活躍する38歳のワーママ。10歳と3歳のお子様を育てながら、会社ではリーダー職を務めています。
田丸さんは、2人目のお子様の育休明けがあまりにハードだったことをきっかけに、2024年3月にCoParentsの門を叩きました。その日から今日まで受けたコーチングは通算15回。
15回のセッションを通して、その時々の悩みに向き合う中で、田丸さんは人生の、仕事の、子育ての迷いを晴らす1つの結論に辿り着きました。
「目標なんていらない。」
田丸さんがワーママならでは悩みとどのように向き合い、「目標なんていらない」という結論に辿り着いたかをお伺いしました。前・中・後編の3回シリーズとなります。前編の本記事では、田丸さんの育休明けの悩みの詳細や、コーチングを通じて仕事の悩みや子育ての個別の悩みにどのように向き合ったのかをお伺いしました。 （聞き手：CoParents代表 古村千尋）
育休明け、まさかの部署＆昇進
–CoParentsのことはどのように知りましたか？
インスタグラムで、ワーママ、仕事術、時間管理などのキーワード検索をしていて、辿り着きました。
–CoParentsのコーチングを受ける前から、コーチングについてご存知でしたか？
コーチングという1対1で話す仕組みがあることは知っていました。上昇志向の強い人が受けているイメージがありましたね。でも、実際にどんな話をするのかは、あまり理解していませんでした。
ちなみに、勤務先でコーチングを受けている人は1人もいません。一方、育休中にオンラインで繋がったママ友でコーチングを受けている人が何人かいました。その子達は、副業をしているワーママだったので、「すごいなぁ。コーチングを受けると物事が上手く行くのかなあ」と漠然と思っていました。
–CoParentsのコーチングを受けようと思ったのはなぜですか？
下の子の育休明けは、産休前と同じ課に戻るはずだったのですが、退職した人の穴埋めで別の課の配属になってしまいました。退職した人の後釜だから引継ぎはなし。すごく厳しいリスタートでした。
半年くらい経って、ようやく仕事に慣れてきたときに、なんとグループリーダーになりました。家事育児も手一杯なのに仕事の責任も増えることになり、不安になっていました。
私は元々、手帳を書くのが好きで、「仕事で使える手帳術」も勉強したことがありました。仕事の要素を分解・整理できるようになったけど、この不安は手帳で整理するだけだと解決しないなと感じました。
その時に、インスタで見つけたCoParentsなら、コーチングというものなら、この悩みは解決できるかもしれない！と思って体験コーチングを受けてみることにしたんです。
–体験コーチングでは、複数のコーチとお話されたそうですね。最終的に松本裕太コーチ（ゆうたさん）を選ばれた理由は何でしたか？
ゆうたさんと一番フィーリングが合ったんです。地元が近いとか、いくつか共通点もあり、話しやすかったです。
でも、体験コーチングで最も印象に残っているのは、実はあずさん（小林梓沙コーチ）なんです(笑)自分では、「もっと頑張って仕事をうまく回したい！」という気持ちだと思っていたのですが、あずさんと話している時に、「これ以上頑張れない」が本音だと気付いて、自分でもびっくりしました。
ただ、この後ずっとお話をすることを考えて、フィーリングが1番合ったゆうたさんを継続コーチに決定しました。
–ゆうたさんとフィーリングが合ったというのは具体的にどんな感じですか？
ゆうたさんと話すと肩の荷が下りる感じがしたんです。この感覚はその後の継続コーチングでも同じで、どんなテーマの話をしても前向きな気持ちになれます。今でもセッション後はゆうたさんに「憑き物が取れたみたいな顔をしていますね」と言われます。
人生のテーマはすぐに見つかった。ただし、何となく。
–ゆうたさんとのコーチングはどのように進んでいきましたか？
最初は、コーチングとは何かという話や自己紹介から始まりました。本格的なコーチングが始まったのは2回目からです。まずは「人生の目的やテーマは何か」を考えました。
–具体的にどんな話をしたのでしょうか？
「自分はどんな人間か」というテーマで、自分の中に4つの側面があるという話になりました。どの側面が、どんな時に動いているのかを考えることで、自己理解を深めました。
4つの自分の動き方を考えているうちに、子供が生まれてから少なくなっていた「素の自分でいられる時間」を増やしたいなと思うようになりました。
–ご自身がどうやったら幸せになれるかのヒントを掴まれたようですね。ゆうたさんとの対話を通して「人生の目的やテーマ」は見つかりましたか？
ゆうたさんとの対話と通じて、「誰の目も気にせず、キラキラ輝きたい」というテーマが見つかりました。ただ、具体的に何をしたいかはこのテーマが見つかった初期の時点では決まりませんでした。具体的にしたいことがわかっていくのはこの後です。
こんな感じで最初の方は人生に関する大テーマの話をしました。その後、いよいよ仕事が限界になってきたので、仕事の話をコーチングのテーマにしました。
繁忙期が辛かった真の理由
–仕事の悩みについて、具体的にどんな話をされたのですか？
当時は繁忙期で心も体もボロボロになっていました。グループリーダーとしての責務が苦しかったのに加えて、過年度にはなかった新しい業務が発生して、トラブルが多発しました。
また、繁忙期の少し前に上司が交代しました。その新しい上司はトラブルやできないことがあると怒るばかりで…しかも上司も異動してきたばかりで、現場の細かい状況を理解していないから、大変な時に積極的に助けてくれるわけでもなく…
何だか心身共に疲れちゃって、もっと元気になりたいなと考えていました。そこで、私は何にそんなに疲れているんだろう、というのをゆうたさんと整理することにしたんです。
–今のご説明を聞く限り、疲れている原因は最初からわかっていたような気がしますが…
それが、疲労の原因はもっと深いところにあったんです。ゆうたさんに「すごく落ち込んでいるけど、今はどんな気持ちですか？」と聞かれました。問われてみると、何だか胸のあたりがずっしり重いんです。その重たさについて自分なりに思うところを話し、ゆうたさんにも色々な角度から質問され…というのを繰り返しました。
すると、私は「自分の力不足のせいで後輩に申し訳ない」と感じていることに気づきました。
–力不足と感じてしまうのは、育休前と違う課で新しい仕事なのも影響していそうですね。
そうなんです。自分にとって新しい仕事だし、苦手意識もありました。
–忙しさ、難しい仕事、折り合いの悪い上司というのはいわば表面的な辛さで、辛さの根本は無意識のうちに、自分を責めていたことにあったのですね。そんな落ち込んでいる状態から田丸さんはどう浮上したのでしょうか？
ゆうたさんと話しているうちに、「上司はちょっとしんどいけど、私のグループのメンバー達って最高じゃないか」「この苦手な業務を乗り越えたら私って無敵になれんじゃないか」という思いが生まれました。この最高の人間関係の中なら苦手にも立ち向かえそうだ！と思えたので、また頑張ろうという気持ちになりました。
–別に仕事内容も環境も変わっていない。でも田丸さん自身の仕事への向き合い方を変えたことで、辛さを乗り越えられたんですね。CoParentsのコーチングを受けて転職や異動を決意するワーママもいますが、ご自身の向き合い方を変えることで悩みを晴らした田丸さんのようなワーママさんも実は多いんです。
正解の形は人それぞれですよね。おかげで心身を壊すことなく、繁忙期を乗り越えられました！
仕事にも子育てにもあると良いもの
–繁忙期の悩みの話の後のコーチングはどのように進みましたか？
次は子育ての話をしました。
–なぜ子育ての話をしたのですか？
コーチングで「誰の目も気にせず、キラキラ輝きたい」という人生のテーマが見つかったけど、具体的に何がしたいかは、まだわかっていませんでした。でも、そんな何となくのレベルでも、「こんな感じになりたい」を自分の中で持っていると、色々と行動しやすくなったんです。だから、何事にも軸があるといいなぁと感じました。
自分の人生についてはゆうたさんと「こう生きたい」という話を現在進行形でしている。仕事についてはいつも考えている。でも、子育てについては考えられていないことに気付きました。日々の子供のお世話を回すのだけに精一杯になっていて、「どんな風に子育てがしたいんだろう」って考えられていなかったなぁと。
だから、子育てでも軸が決まると、適切な行動指針ができるんじゃないかと考えました。子供とどこにお出かけするのか、どんな習い事をするのか、子供関連のどんなことにどれだけお金を投資するのかというような。
–人生にも仕事にも子育てにも自分なりの軸があると良い、ということですね。ご自身の子育ての軸は持てましたか？
はい。ゆうたさんと色々話した結果、「子供達には好きなものを見つけて打ち込んでほしい」と。そのために、私は子供達に色々な世界を見せてあげたいと思いました。そして「結果として子供たちが好きじゃないと判断するもの」も見せてあげたい。
–深いですね。確かに1回出会わないことには、お子さんもそれが好きか好きじゃないかわからないですよね。
はい。「そうじゃないもの」を見ることで人生が豊かになると思いました。これまで子供をお出かけに連れて行って、反応が微妙な時、すごく残念な気持ちになっていました。でもちっとも無駄じゃない。子供たちは「これは好きじゃない」と知れたのだからと思えるようになりました。
また、子育ての軸を整理したことで、自分を責めることが減りました。以前は日々の生活に手が回り切らず、子供たちが寝るのが少し遅くなってしまったときに「子供たちの生活リズムを整えられなかった私…」と自己嫌悪に陥っていました。でも、多少寝る時間が遅くなることは、「子供達に好きなものを見つけてもらうために、色々な世界を見せる」というテーマとはあんまり関係ないですよね。
あとは、子供たちを目新しい場所に連れて行けず、いつもと同じ1日になってしまった…という日も、「家の中でもこんな新しい経験をさせてあげられた」と思えるようになりました。新しい世界があるのは家の外だけではないですからね。
–子育てにおける優先順位が明確になったことで、きっちりできないことがあっても、優先順位が低いものであれば大らかな気持ちでいられるようになったのですね。ところで、「子供達に好きなものを見つけてもらうために、色々な世界を見せる」というテーマはどのようにして見つけたのですか。
これが結構面白いワークでした。どんな子育てにしたいか、絵をかいたり、体を動かして表現したりしたんです。その時に私は、2人の子供を肩に乗せている自分の姿のイメージを持ちました。
–それがお子さんに色々な世界を見せてあげるという視覚的なイメージだったんですね。時に、自分の思いは言葉で表現するより、絵などの非言語の方がより正確に表せることも多いです。コーチは言語と非言語の両方で、それぞれの方にあった掘り下げを行うスキルがあります！
この後、あんな悲劇があるなんて…
今回は大企業・総合職ワーママの田丸さんが、育休明けの新しい課＆リーダー職＆繁忙期（言葉にするとよりハードさが伝わります…）をどう乗り越えたか。そして子育ての軸をどう見つけたかを紹介しました。
順調そうな田丸さんですが、この後会社員の宿命とも言える悲劇に襲われます。田丸さんはどんな悲劇に襲われたのか。どう乗り越えたのか。そして、「目標なんていらない」という結論にどう辿り着いたのか。続く中編と後編もどうぞお楽しみに！
最後に、この記事を読んでCoParentsのコーチングを受けてみたい！と思った方は、ぜひ体験コーチングをお申込み下さい。
田丸加奈子さん（仮名）
大企業の製造業で総合職として働く38歳。プライベートでは10歳の息子さん&3歳の娘さんのお母さん。
松本 裕太 (田丸さん担当コーチ)
CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ（CPCC）
大学卒業後、日系大手化学メーカーにて、財務・事業企画・営業を経験し、15年間勤務。
現在は、コーチングを提供しながら、企業研修・パパママ向けワークショップファシリテーター等々、多方面に活動中。
適応障害や不妊治療を経験し、約10年間一人で問題を抱える日々を過ごす中で、パートナーにも言えないようなパーソナルな問題を誰かに聞いてもらうことの重要性や共に未来を考えてくれる人の有難さを痛感し、コーチングを待っている人がたくさん居るはずだ！との想いから、コーチングに従事。
誰しも「人生の主人公」としてイキイキと自分の人生を歩ける可能性を言じ、共に前に進んでいきたいと思うと同時に上手くいかない時・苦しい時に、ポロっと本音が出せる家のような存在で在ることを目指す。
