仕事と子育ての両立の悩み…?? ―悩みの真の根源と納得の解決策を見つけたワーママ―

中野史帆さんは3歳の息子さんを育てる35歳のワーママです。「仕事と子育ての両立の悩み」があり、CoParentsのコーチングを受け始められました。

しかし、どうやら中野さんの悩みは、「仕事と子育ての両立」とも言い切れなさそうで…

中野さんの悩みは一体何だったのか?どんな解決策を取ったのか?詳しくお話をお伺いしました。

今「仕事と子育ての両立の悩み」を抱えている方にぜひお読み頂きたいインタビュー記事です。あなたの悩みも、もう少し複雑かもしれませんよ。(聞き手:CoParents代表・古村)

目次

何をどうしたらよいか、わからない

–これまでのキャリアについて教えていただけますか?

現在はWebサービス会社のカスタマーサポート部に勤務しています。その前は新卒で入った銀行で、法人営業のアシスタント業務をしていました。今は転職活動中です(※本インタビュー実施時)。

— コーチングを受けようと思われたきっかけは、どのようなお悩みからでしたか?

子どもが生まれた後くらいから、仕事に「やりづらさ」を感じていました。決定的なきっかけとなったのは、それまで週4日のリモートワークだったのがフル出社になったことです。「辛い、無理だ」と感じました。

でも、我が家は夫がとても協力的だし、子どもも育てやすい方だと思います。そのため、出社自体が不可能な状態ではなかったんです。だからこそ「こんなに恵まれているのに、どうしてこんなに苦しいんだろう」と、余計に心理的に辛かったです。

今後のキャリアについて、転職すべきなのか。あるいは、2人目も考えていたので、妊活して産休に入って一旦離脱するべきか。それとも自分の気持ちの整理の問題なのか。当時は何も手がつかず、どこから考えて、どうしたらよいかわからない状態でした。

そんな五里霧中の中で、解決の糸口を見つけたくて、コーチングサービスを探していました。

ちなみに、当時はそんな感じで、仕事と家庭の両立がフル出社回帰で難しくなったことが悩みだと思っていました。でも、コーチングを受けた結果、悩みの根源は「両立ができない」ではなかったんですよね。

キャリア志向より、ぐちゃぐちゃの私に寄り添ってほしい

— 興味深いですね。後ほど詳しくお聞かせください。悩み解決のために最初からコーチングを検討されていたようですが、以前からコーチングをご存知でしたか?また、数あるコーチングサービスからCoParentsを選ばれた理由を教えてください。

大学時代にゼミでリーダーシップ論などを学んでいたので、コーチングの存在自体は知っていました。

最初は自己啓発の本を読んだり、思いを書き出してみたりして、自己解決を試みました。でも、私は紙には全然自分の意見を書けませんでした。きっと私は話すのが好きだから、話すことで自分の気持ちに気付けるのかもと思い始めました。

そこで、CoParents含めて、いくつかのコーチングサービスの体験を受けました。私が受けた他社のコーチングは、仕事のスキルを上げよう!というキャリア志向のものでした。寄り添うというよりは、「頑張ろう!」みたいな感じ。当時は頑張ろう、というより、ぐちゃぐちゃになって困っている私に寄り添って、思考の整理を助けてくれることを求めていました

そんな時にCoParentsのことをInstagramで知りました。CoParentsのInstagramの投稿が私に刺さりまくりました。最終的に、CoParentsが自分の求めているものに近くて、しっくりきたので、継続させて頂きました。

あと、正直なところ、CoParentsは他よりも安かったというのもあります。育休で収入が減っていたので、そこまで予算がありませんでした。CoParentsの継続コーチングも、ちょっと勇気が必要な投資額でしたが、手の届く価格ではありました。

–中野さんは隈部敦子コーチ(くま)と松本裕太(ゆうた)コーチの2人と体験コーチングを受けて、ゆうたさんで継続コーチングを受けることにされましたよね。なぜゆうたさんを選んだのでしょうか?

まず、子育て経験のあるコーチと話したいという思いから、ママであるくまさんと、パパであるゆうたさんの体験コーチングを受けました。仕事の話だけではなく、子育ての話もしたい、という思いでCoParentsを選んだ部分もあるので。

くまさんも、ゆうたさんも、すごくお話しやすかったです。でも、それぞれのコーチに対する私の反応が対極的でした。

くまさんは穏やかに優しくお話を聞いて下さるので、話しているうちに涙が止まらなくなってしまいました。とてもあたたかく、すっきりした時間ではありました。しかし、この優しさに包まれて、毎回号泣してうまく話せないかも、という懸念がありました。

一方、ゆうたさんはハキハキとした明るい印象でした。まさに伴走者という感じで、「一緒にやっていきましょう!」という雰囲気でした。くまさんにしたのと全く同じ話をゆうたさんにしましたが、ゆうたさんの時は号泣することはありませんでした。自分の中にある気持ちを言葉にして、しっかり話すことができたんです。

そのため、「気持ちを整理して課題解決したい」と思っていた当時の私にはゆうたさんの方が合うのかなと思って、お願いすることに決めました。

–実は以前に中野さんと同じく、くまさんとゆうたさんの両方と体験コーチングを受けた方がいました。その方も、2人について、中野さんと似たような感想を仰っていました。しかし、その方は、「自分の感情をもっと大切にすることが、今の自分に必要なことかも」ということで、くまさんで継続をされたんです。2人とも同じコーチング機関でトレーニングを受けて、同じプロコーチ資格を保有しています。でも、個性があるのでしょうね。そしてどちらの個性が合うかはその人次第なのでしょう。

モヤモヤを分解して見えた真の原因は…上司!

— 継続コーチングではどのような流れでご自身と向き合っていかれたのでしょうか?

私は「問題を解決する9回コース」にしました。コーチングの進捗は大まかに4つの段階に分かれていたような気がします。

最初の3回では、コーチングの詳しい説明を受けたり、自己理解を深めたりしました。自分の生きる目的や性格を探るような、準備体操のような期間でしたね。

その後4回目から5回目にかけては、自分が抱えていたモヤモヤした気持ちを吐き出すセッションが続きました。そして、このあたりで自分の中でターニングポイントを迎えました。今の環境で抱えているモヤモヤを解消する必要はないとの結論に至り、環境を変える方向に舵を切りました。

6回目から8回目は、今後どうしたいかを話しました。正直、8回目まではしっくり来ていませんでした。まずい、あと1回で終わってしまう…という時に、ゆうたさんから結構踏み込んだことを言ってもらったんです。それで、自身の価値観について大きな気づきを得て、最後の9回目のセッションで全てが総括されました。

–素晴らしいプロセスですね。では、各段階を詳しく教えて下さい。最初の準備体操期間では、どのような気づきがありましたか?

これまで自分自身を見つめ直すことをしてこなかったので、とても新鮮でした。この時に私が「納得感」という言葉を頻繁に使っていることに気づきました。例えば、私は産後リーダー職から外される経験をしました。私は降格という行為自体にも、その結果就任した新しいポジションにも納得していませんでした。仕事内容や状況に、自分自身が腹落ちしてるかどうかをとても重要視しているのだと認識しました。

また、自分の性格の大部分が真面目さで構成されていることにも気づきました。真面目な性格ゆえに、良い子でいようとして、「目標をしっかり立てて最後までやり切らないといけない!」という意識が強い傾向があることもわかりました。

–中盤にかけて、モヤモヤを吐き出し、ターニングポイントを迎えたとのことですが、詳しく教えて下さい。

モヤモヤの根源は、当時の職場環境と上司への不満だったと判明しました。

–元々仕事にやり辛さを感じていた、ハイブリッド型からフル出社になって、子育てとの両立が苦しくなった、というお話でしたよね。

はい。でも、ゆうたさんにモヤモヤを吐き出して整理する中で、悩みの真の根源がわかりました。

出社自体が嫌なのか。フル出社になったことで通勤や準備の時間が増え、子供と丁寧に関われないことなのだろうか。

でも、よく考えたら出勤だけが問題じゃないなと。私のポジションが上手く回っていないというのもモヤモヤするなと思いました。産前に比べて軽視されている気もしました。時短勤務であるために重要な会議から外されたりとか。

–それは腹が立ちますね。

あと、評価面談で、「時短だから稼働時間が少ないのはしょうがないよね。でもその割によくやってるよ」と言われました。それって私に限らず、時短勤務の人全員に言える評価じゃないか!と思いましたね。私の仕事内容についてフィードバックしてよ!とイライラしていました。

あと、時短で以前の3分の2くらいしか働けず、時間が来たら帰らないといけないことにもモヤモヤしていました。残業してもう少しやりたい!というのができないのがストレスでした。

–最初に仰っていた仕事のやりづらさを深堀・細分化できている印象を受けます。また、もはや両立の悩みの範疇を超えている気も…

そうなんですよね。自力ではこの整理もできなかったので、ゆうたさんと話せてよかったです。

モヤモヤポイントはまだありました。コロナ禍を経て職場のコミュニケーションが希薄になり、以前のわいわいした雰囲気が失われたことへの寂しさです。コロナ前は気軽にデスクで同僚と質問しあったり、おしゃべりできる良い環境でした。しかし、コロナの後に人が減ってしまったのと、出社してもソーシャルディスタンスを保つ風習が残ってしまって、みんな黙って仕事だけする感じになってしまって。

こうした複数の要因が絡み合っていたのですが、根本を掘り下げていくと、上司との相性の問題が大きいことに気づきました。

–どのような経緯で、モヤモヤの原因は上司だと気付いたのですか?

子育てとの両立が難しくなったのはフル出社になったからです。フル出社回帰を決めたのは、「コミュニケーションが取り辛いからフル出社にしたい」という上司です。でも、上司自身は在宅勤務にしていたりして、「え??」と思っていました。

それに、時短勤務関連の理不尽な対応や評価も上司がしている。ゆうたさんと話しながら、モヤモヤしていることを深堀・細分化したことで、状況が客観的に整理されて、モヤモヤしていることの震源は全部上司じゃないか!と気付きました。

また、コーチングセッションでモヤモヤを整理するのと並行して、セッションとセッションの間に自分で解決できることはないかなと色々努力してみたんです。

–どんな努力をされたのですか?

まず、フル出社で時間の余裕がなくなって、子どもとの関わり方に満足できていない状況だったので、家事の簡略化を試みました。これまで夜に台所をリセットして、次の日のゴミ出しをして、洗濯物を畳んでから寝ていました。それを全部辞めて、夜は早く寝て疲労回復を優先し、早起きして子供とゆっくり過ごしつつ、家事もやるようにしました。

また、職場のコミュニケーションが減って寂しいことについては、自ら積極的に同僚をランチに誘ったりしました。

両立は少し楽になったし、職場のコミュニケーションも少し良くなりました。でも、こうやって1つずつモヤモヤを取っ払っても残るものが大きかったです。やっぱり自分の努力だけで取り払えない大きな要因は上司だなと再確認しました。

そんな中、上司が理不尽な理由でランチタイムを固定したことが最後の決定打となりました。小さな話に聞こえると思います。でも、モヤモヤの根源は上司だと気付いた上で、上司の身勝手な理由でお昼休みの自由も縛られて、「こんなしょうもない職場に居続ける必要はない」と強く思いました。

「私、1年後もこの職場にいたい?」と考えた時に、「あ、違うな」とすぐにわかりました。 だから、ゆうたさんには、「もうモヤモヤに無理に向き合う必要はないと思うので、これからのセッションは、転職を前提に『今後どうするか』を話したいです」と伝えました。

これからどうしたい?キーワードは「文化祭前日」と「家族」

–ご自身でもたくさん試行錯誤されたからこそ、「どう頑張っても上司が原因だ」と整理できたわけですね。では、その後のキャリアの方向性や未来について考えるセッションがどんな内容だったか詳しく教えて下さい。

まずは、仕事の楽しさややりがいについて深掘りしました。少し前に、とんでもなく忙しい、期日の近い案件にアサインされたことがありました。当時は帰宅後も持ち帰り残業をしていました。しんどい状況でしたが、ちょっと楽しいと思っている自分がいたんです。

「これって私の仕事の価値観かも?」と思ったので、ゆうたさんに話して深堀することにしました。その時に、学園祭の前夜のように、トラブルが起きたりしつつ、切羽詰まった状況でみんなとわいわいやるのがすごい楽しいという話になりました。最近は子持ちであるがゆえの過剰な配慮で、忙しい案件にはアサインされていなかった分、久しぶりで余計に楽しかったというのもあったと思います。

その時に、ゆうたさんに「その忙しい案件のような楽しさが0の時と、100の時のそれぞれで、史帆さんの感情はどうなりますか?」と質問されました。私は「0はつまらなさ過ぎて、もう仕事をやっていけないと思います」と答えました。

では、50だったら?ちょっと不満かも。60だったら?あ、ちょうどいいかも。100だったら?楽しいけど、ずっと続けるのは持続可能ではないな。

そんな話をしたら、ゆうたさんから「では、史帆さんの仕事の価値観は『その楽しさを100でずっと続けたい』ということではないのかもしれないですね」というフィードバックをもらいました。

–とても興味深いです。どんな仕事をしたいかを「文化祭の前日」という具体的なイメージで持てたこと。そして、その仕事をどれくらいしたいかを60%という数字で表現できたこと。これは中野さんにとって、仕事と子育ての両立の在り方に関する大方針となりそうですね。

いきなり転職の具体的な話をせず、ハイレベルで軸を整理できたのはとても良かったです。

また、ゆうたさんと過去の経験を振り返りながら、未来の私に繋がるものを探すということもしました。その時に、「家族」というキーワードが自分の人生において非常に重要であることを再認識しました。

–中野さんの人生における「家族」の影響を詳しく教えて下さい。

家族は私自身を形成した大きな要素だと再確認しました。また、「私が幼少期に家族にしてもらったことを、自分の子どもにもさせてあげたい」という思いがあることに気付きました。 これまでの部活や進路選択において、父がとてもオープンだったんです。学校についても、「こんな学校もあんな学校もあるよ。東京とかに行って、どんどん学べばいいよ!」と言ってくれたんです。そんな父のスタンスに後押しされて、私は色々なことを頑張ることができました

仕事も子育ても満点を取りに行くものだと思い込んでいた

–中野さんのお父様が、中野さんの意思を尊重して、中野さんの可能性を広げるサポートをしてくれたんですね。そこから、ゆうたさんとのコーチングはどのように進んだのでしょうか。

「家族」というキーワードが出てきた後に、ゆうたさんから「では、『家族』をキーワードに生きるとして、10年後の中野さんはどんな姿だと思いますか?」と聞かれました。1番に思い浮かんだのは夫と子供といる姿でした。

で、コーチングを終えた今なら、「私は家族を大事にすることを核にして、キャリアを積みたい」というのが私の価値観だとわかるんです。でも、なぜか当時は、自分の価値観が何なのか、よくわからなかったんですよ。家族というキーワードも出ているのに。

ただ、当時私が気づいていないだけで、ゆうたさんは「家族を大事にすることを核にして、キャリアを積む」という私の価値観にもう気づいていたんじゃないかなと思います。でも私が自分で気付くまでずっと待ってくれていた気がします。

–なぜゆうたさんが先に中野さんの価値観に気付いていたと思われたのですか?

最初に話した8回目のセッションでのゆうたさんの踏み込んだアドバイスを受けてです。

–9回コースがあと1回で終わるのに、まだしっくりくるものがなくて、焦っていた時の話ですね。

はい。8回目にゆうたさんから「通常のコーチングでは、コーチはアドバイスをしません。でもちょっと中野さんには言ってみたいことがあります。中野さんは、これまで『自分の価値観がわからない』って言ってますけど、もうずっとご自身の価値観についてしゃべってますよね。なんで自分の価値観を決められないんですか?わからないんじゃなくて、自分で決められていないだけです。」と言われたんです。

私は意味がわからなくて(笑)、「この人は何を言っているんだ?」とぽかんとしていました。

–たぶん、ゆうたさんは相当勇気を振り絞って、理論上コーチが言わないことを言っている気がしますけど、中野さんのファーストリアクションは「???」だったんですね(笑)

ゆうたさんの発言の意図がさっぱりわからなかったんですけど、「ゆうたさんの言いたかったことって何だったんだろう?」と、ずっと考えていました。

その時にちょうど、CoParentsのInstagramで「自身の価値観を理解するために、極論を考えてみよう」という趣旨の投稿があったんです。それを読んで「あ!」と思いました。

–例えば、仕事が嫌なら「明日仕事を完全に辞めたらどうなる?」など、極論の選択肢のシナリオを取った時にどう感じるかをヒントに、自分の本音を洗い出すというものです。CoParentsのコーチも時々セッションで使う手法です。中野さんはどのように極論シナリオを考えたのですか?

もし、家庭100・仕事0の人生になるとします。仕事を辞めて専業主婦になるシナリオですね。まあ、あり得なくはない。でも、家庭0・仕事100は?子どもをシッターさんとかに預けて、残業ありのフルタイムで働くシナリオ。これはあり得ないなと。

だったら、私が1番大事なのはおうちじゃん」となりました。

そして、ゆうたさんの意図がわかりました。私は仕事も大事、家族も大事、自分自身も大事みたいなことをずっとゆうたさんに喋っていました。ゆうたさんは「全部大事なのはわかるけど、大事なものに優先順位を決めるのが価値観だ!」と言いたかったのかなと。

人生のレーダーチャートがあったとして、私は仕事も家庭も自分も全部10点満点にしなきゃと思っていました。え、みんな全部10点満点にしたいでしょ?したくない人なんているの?って。

でも、別に1つの分野が10点中5点でも満たされている人もいれば、足りないと思う人もいるわけです。そして、私は仕事、家族、自分のそれぞれの分野で、10点中何点あれば満たされるのか、当時は把握できていなかったんですよね。10点とらなきゃいけないとしか思っていなかったので。

–なるほど。中野さんは仕事も家族も全部満点でいきたい!いかなきゃ!と思い込んでいたから、家族と仕事のバランスをどうしたいかがよくわからなかったんですね。当時の中野さんは10:10しか選択肢がないと思っていた。

そうなんです。結局私は、家庭で10点満点を取る必要はないのですが、家庭が真ん中にあって、その上でのキャリアを望んでいたんです。

–自分自身が人生の各分野で何点くらい取れたら満たされるかを知り、その上で分野間での優先順位を「決める」。それが価値観ということなのかもしれませんね。中野さんの場合、キャリアは大事だけど、優先順位が上なのは家族だと気付けたわけですね。

気付いた自分の価値観を転職活動に活かす

–ここまでの進捗を振り返ると、仕事と子育ての両立の苦労と、以前からの仕事のやり辛さの真の原因は上司だった。だから、悩みの原因から離れるために、転職する前提で、今後どうしたいかを考えた。その結果、「文化祭の前日」のようなやりがい・楽しさを60%くらい味わうことを大事にしつつも、家族を大切にすることを核として、その上でキャリアを積みたいという価値観が見えたわけですね。ここまで気づいたことは、転職活動に影響を与えましたか?

転職活動の方針が大きく変わりました。当初はマネージャー候補の求人ばかりを受けていましたが、なかなかうまくいかず。子供がいることも影響していたかもしれませんね。

9回目の最後のセッションで、ゆうたさんに「マネージャー候補の求人のやりがい・楽しさは10段階中どれくらいだと思いますか?」と聞かれました。私は「7~8くらいですね。」と答えました。

すると、ゆうたさんが「9や10くらいに行くとしたら、どうですか?」と言ったんです。「いや、続けられません」と答えました。

–やりがい・楽しさは60%くらいが良いというお話でしたしね。

そうなんです。さらにゆうたさんに「メンバーレベルの求人だとやりがい・楽しさは10段階中どれくらいですか?」と聞かれて、「4~6くらいですね」と答えました。

この対話をきっかけに、家庭を大事にできる仕事なら、別にメンバーレベルの求人で入って、そこからじっくりやりがいや楽しさを上げていくのも選択肢だなと腹落ちしました。マネージャー候補として入社して、楽しさ・やりがいレベル7~8でスタートしたら、マネージャーになった時には9~10になって持続可能ではない。楽しさ・やりがいは4~6レベルで入社して、7~8を目指すのが自分の価値観に合っているなと思いました。

–では今は新たな方針のもと、絶賛転職活動中なのですね(※インタビュー当時)

はい。コーチングを始めた当初の、霧の中にいるような、どこに進めばよいかわからない状態に比べると、方針が決まったので、すごく動きやすいです。

–ところで、コーチングを受ける中で、何か意外だったことや驚いたことはありましたか?

時々体を動かすように言われたことですかね。「ちょっと立ってもらって、〇〇ってどんなイメージか体で表現してみてください」みたいな。

–今のCoParentsのコーチ達のやり方だと、体を動かすワークがありますね。言語だけではなく非言語でも考えることで、新たな気付きが生まれることがあります。さて、中野さんはコーチングは9回で一旦終了でしょうか?

そうですね。一旦卒業にしたいと思います。自分の悩みや課題がわかったし、しっくりくる価値観も見つけられたので。

この9回で、コーチングってこうやって思考を整理するんだ、というのを体験できました。また違う悩みが出た時にもコーチングという手段を使えるかも、と思っています。

–最後に、どんな方にコーチングを勧めたいですか?

もう頭がぐちゃぐちゃになっちゃっているママ達です。私は1つの悩みではないものを、「仕事と子育ての両立の悩み」と一括りにしてしまっていたんです。その悩みから一時逃避するために、2人目を妊娠して育休を取ることまで考えていました。

上司との関係性、家の家事が回らない、フル出社する、第2子どうする問題を、全部複雑に絡めてしまっていました。でも、ゆうたさんと話すことで、1つ1つ分解して潰していくことができました。

だから、どこに進めばよいかわからない、という状況の時にコーチングはぴったりだと思います。

–中野さん、お忙しい中貴重なお話をありがとうございました!

転職活動の結果は…

インタビューから数ヶ月後、中野さんからLINEが届きました。

インタビューでも「メンバーレベルの求人がちょうどよいかも」というお話はされていましたが、実際はなかなか拘りを捨てきれなかったようです。しかし、最終的には、コーチングを受ける前には見向きもしなかった会社に価値観のフィットを見出し、納得の転職を実現されたそうです!

中野さんは、コーチングを通じて、「仕事と子育ての両立」で一括りにしていた複数の悩みを紐解いた結果、「上司から離れる(=転職)」という選択をしました。そして、仕事に何を求めるのか、そして仕事と家庭にどう優先順位をつけるかの価値観を整理して、心から満足できる選択をして、転職に成功しました。

中野さんが、苦しい状態から抜け出し、心から望むものを見つけて、手に掴むまでの過程を、CoParentsが隣でご一緒できたことを本当に嬉しく思います。

私達CoParentsはこれからも、「親である人を幸せにする」というミッションのために、悩みを抱えるワーママの選択肢であり続けます。

この記事を読んで、CoParentsのコーチングを受けてみたい!と思った方は、ぜひ体験コーチングをお試しください。

中野史帆さん(仮名)

35歳。金融機関勤務を経て、Webサービスのカスタマーサポート業務に従事。プライベートでは3歳の息子さんのお母さん。

ワーママ向けコーチング会社CoParents所属 松本裕太コーチ

松本 裕太 (中野さん担当コーチ)

CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)

大学卒業後、日系大手化学メーカーにて、財務・事業企画・営業を経験し、15年間勤務。
現在は、コーチングを提供しながら、企業研修・パパママ向けワークショップファシリテーター等々、多方面に活動中。

適応障害や不妊治療を経験し、約10年間一人で問題を抱える日々を過ごす中で、パートナーにも言えないようなパーソナルな問題を誰かに聞いてもらうことの重要性や共に未来を考えてくれる人の有難さを痛感し、コーチングを待っている人がたくさん居るはずだ!との想いから、コーチングに従事。

誰しも「人生の主人公」としてイキイキと自分の人生を歩ける可能性を言じ、共に前に進んでいきたいと思うと同時に上手くいかない時・苦しい時に、ポロっと本音が出せる家のような存在で在ることを目指す。

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