仕事も子育てもストレスだった~夫に八つ当たりする自分を変えたワーママ~

「俺、もうしんどい。」

ある日、旦那さんからそう言われたのは、宮澤沙也加さん(仮名)。

宮澤さんはずっと、仕事と子育ての両方にストレスを抱えていました。辛くて、辛くて、旦那さんに不満をぶつけるしかありませんでした。もちろん、夫に負担をかけていることはわかっていました。

ついに旦那さんが音を上げた時、宮澤さんは決意しました。

私、変わりたい。変わらきゃ。

そう思って駆け込んだのは、ワーママ向けコーチングのCoParents。6回のコーチングを受けた宮澤さんがどう変わったのか、お話を伺いました。(聞き手:CoParents代表 古村千尋)

目次

発達障害の我が子に、そりの合わない上司

— CoParentsを知ったきっかけは何ですか?

Instagramです。どんな言葉だったかまでは覚えていないのですが、流れてきた投稿にすごく惹かれて、他の投稿も見るようになりました。

–コーチングを受けようと思われたのは、どのような悩みがあったからですか?

仕事と子育ての両方にストレスがありました。実は、CoParentsのコーチングを受ける前に適応障害になってしまったんです。回復したものの、その後も夫に不満をぶつけてしまうことが多くて

ある日夫から、「俺、もうしんどい」と言われてしまいました。すごくショックでした。夫に負担をかけてしまっていたことには気づいていたけれど、言葉にされたことで、かなりショックを受けました。

「自分が変わらないと」と強く思いました。夫に頼りすぎないように、もっと強くなりたいと思ってコーチングを受けることにしました。

–子育てでは、具体的にどのようなことがストレスになっていましたか?

5歳の娘に発達障害があり、普通の子育てとは違うという点でストレスを感じていました。周りに相談しても重く受け取られてしまったり、悩みの方向性が違ったりして、なかなか話しにくいと感じていたんです。

あとは、私にはコントロールできない癇癪などの子どもの特性もストレスの原因でした。

–仕事では、どのような点がストレスの原因でしたか?

端的に言うと、上司とそりが合わなすぎたことがストレスでした。キャリアパス自体には満足していましたが、人間関係が課題でしたね。

–仕事と家庭で全く異なるストレスがあったんですね。

はい。「今思えば」ですが、担当の隈部敦子コーチ(くまさん)と話していくうちに気づいたことがありました。

私が子供にイライラしたり、夫に当たってしまうタイミングは、仕事が大変な時と重なっていました。結局、仕事がダメだと、子育てや家庭全体にも悪影響が出てしまうという感じだったんですよね。

–それは興味深いですね。仕事と子育ての両方でストレスと思っていたけど、元凶は仕事単体だったと。コーチングを受ける前はその悩みの構造には気づいていなかったのでしょうか?

いいえ。コーチングを受けようと思ったときは、とにかく仕事と子育ての両方がしんどい、という感じでしか、物事を捉えていなかったです。

ワーママ特有の悩みを話したい

–CoParentsのコーチングを受ける前は、コーチングというものについてご存知でしたか?

なんとなくは知っていました。上司との関係でストレスを感じて、転職を考えた時に、単発でキャリアカウンセリングというか、キャリアコーチングのようなものを受けて、自分を深堀したことがありました。

–数あるコーチングの中からCoParentsを選んだ決め手は何でしょうか?

以前受けたキャリアコーチングは転職のみが目的でしたが、CoParentsは仕事だけではない部分、ワーママ特有の悩みを話しやすいというのが大きかったです。

正直に言うと、他社と比較検討はあまりしませんでした。CoParentsの発信内容が自分の状況にぴったりだと感じたので、体験コーチングに申し込みました。

–体験コーチングでは磯山江梨コーチとくまさんのハーフ&ハーフ体験を受けられましたが、くまさんで継続コーチングを受けようと思った理由は何ですか?

くまさんを選んだのは、安心感や包容力のようなものを感じたからです。

当時は適応障害から回復したばかりだったので、思い切り前に進むというよりは、モヤモヤしたネガティブな気持ちをフラットにしたいというイメージでコーチングを受けようと思っていました。 だから、良い意味でふわっとした感じのくまさんが自分に合っていると感じました。

1人で生涯を終えるのは見下されること?

–継続コーチングでは、どのようなテーマでご自身と向き合っていかれましたか?

私は鍵を見つける6回コースにしました。最初の1、2回は、自分を知ることがテーマでしたね。その上で3、4回目では、自分を知った上で、価値観の歪みに気づくことができました。そして最後の5、6回目で、「なりたい自分とは何か」を考えました。

–1~2回目の「自分を知る」セッションでは、どのようなことをして、どんな気づきがありましたか?

CoParentsのワークシートの質問に答えながら、自分について考えました。ワークシートの質問が、自分の無意識の部分を掘り下げるものが多くて。

印象に残っているのは、尊敬する人物とその理由の質問に答えた時に、くまさんから「その人が沙也加さんのなりたい理想像なんですね」と言われたことです。

ストレートに「どんな人になりたいか」と聞かれても、尊敬するその人の名前は出てこなかったと思います。別にその人みたいになりたいと思って尊敬していたわけではないので。

でも、実はその人にここに惹かれていて、自分もそうなりたいと思っているんだ、ということに、間接的な質問によって引き出して頂けたなぁと思いました。

–CoParentsのコーチングを受けるワーママの方は、「忘れていた自分の再発見」をすることが多いのですが、宮澤さんは「これまで知らなった自分の新発見」をされたわけですね。これまで知らなかった自分の要素で、今後の人生にも大きな影響を与えそうなものはありましたか?

 「絶対に嫌だ、と思うような人生は何ですか?」という質問に、私は「一人で死ぬこと」と答えました。私は「一人は不幸」だと思っていました。そして、周りから不幸に見られることは、他の人と対等に扱ってもらえない、下に見られることだという恐れがありました。

すると、くまさんから「一人でいることは不幸だったり、周囲から下に見られることなのでしょうか。それは一般的な概念なのでしょうか?」と聞かれたんです。私、その問いに答えられませんでした。

私は、「一人は不幸で、かわいそうで、見下されること」というのを普通の考えだと思っていました。でも、くまさんの質問を受けて、これは私の思考の癖、価値観の歪みかもしれないと気付きました。この気付きはその後のコーチングの内容にも大きな影響を与えていますね。

–なるほど。その思考の癖がその後のコーチングにどんな影響を与えたかは追ってお伺いしますね。他にも「自分の知らなかった自分」の発見はありましたか?

「人生で1番落ち込んだ瞬間は?」という質問に、「就職活動」と答えました。すると、くまさんから、「じゃあ、就職活動を乗り越えられたということは、沙也加さんは深く落ち込んでも乗り越えられる力を持ってるんですね」と言って頂けたんです。

そのフィードバックはかなり印象的でしたし、ネガティブなイメージをポジティブに転換するという意識が自分の中に芽生えたきっかけでもありました。

あと、私の強みとして、自分の悩みや他人のことに対しても、一歩引いて客観的に見ることができるメタ認知能力が高いと言われたことも非常に印象的でした。自分では意識していなかったことなので、ハッとしましたね。

家族の考えと私の幸せは違うかも

–1~2回目のコーチングでたくさんの新発見があったのですね。続いて、ご自身の価値観の歪みに気付いた3~4回目のコーチングについてお伺いします。先ほど仰っていた「1人は不幸で、かわいそうで、下に見られること」という考え方をどう深堀していったかを教えて下さい。

「私はなぜそんな考えを持つようになったのだろう?」と考えたのですが、2回目のセッション中には答えが出ませんでした。そのため、宿題としてじっくり考えてみました。

その結果、それが幼少期の家族からの影響を受けて形成された価値観であることに気がつきました。私の家族にとっての幸福の価値観は、経済的な余裕があり、家族が揃っていて、それによって周りに認められることだったんです。

–「家族が揃っていること」が絶対であるなら、独身や離婚は良くないことで、1人で死ぬことは家族が揃っていないことだから、かわいそうで、見下されることだ。そんな風にご家族は考えていたということですか?

そうですね。ただ、その考え方が自分の本当の幸せとは異なるかもしれないと感じ、この価値観を変えたいと思いました。

家族の影響で今まで持っていた価値観と自分の幸せの形は違うと気付いて、自分だけの幸せの形を見つけたい!と思えたのが、3~4回目のコーチングのハイライトだったと思います。 それで、5~6回目のコーチングで私の望む幸せの形を考えました。

周囲は関係ない

–宮澤さんはどんな自分になりたいのか。宮澤さんにとっても幸せは何か。このあたりについて、どんな結論がでたのですか?

まず、何が幸せかを考える際に、仕事や家庭といった枠組みを一旦取り払って考えました。その結果、自分が好きなことで満たされていること、そして自分が機嫌よくいることで周りの人も良い気分になれることが、自分にとっての幸せだという結論に至りました。

–全6回のコーチングを通して、最初にお話しいただいた仕事や子育てのストレス、夫婦関係など、ご自身の状況にどのような変化がありましたか?

価値観が変わって、「周囲に認められなくても、自分が幸せであれば良い」と思えるようになったことが大きいです。その結果、今の仕事に拘る必要がないと思えたんですね。

私は広告会社の仕事をしていました。広告会社を目指した元々の動機は、なんかかっこいいとか、周りからすごいねって言われるとか、そういうものでした。ステータス的な部分にモチベーションをちょっと感じていました。でも、本当にやりたいことや好きなことを優先したいと思うようになりました。

プライベートでは、SNSを見て一喜一憂することはなくなりました。周りの人が幸せでも妬まなくなり、純粋に「良かったね」と思えるようになりました。「幸せな家族像」をアピールしなくてももういいやと思えるようになったので、SNS自体ほとんどやらなくなりました

不要な拘りを捨てて転職

–仕事への価値観が変わったことで、具体的にキャリア・仕事面で変化はありましたか?

結論から言うと、転職しました。CoParentsのコーチングを受ける前から、人間関係が辛かったので、転職すると決意していました。でも全然うまくいかず、一旦転職活動をお休みして、CoParentsのコーチングを受け始めました。

広告会社のマーケティングは顧客との距離が遠いと感じていました。それで、顧客と近い距離で仕事ができる事業会社のマーケティング職への転職を実現することができました。顧客の近くで働きたいという自分の気持ちを大切にして仕事をしていきたいです。

–コーチングを受ける前の転職活動は難航し、コーチングを受けている途中に再開した転職活動がうまくいった理由は何だと思いますか?

「自分が好きなことで満たされていること」を最優先できるようになったからかもしれません。 コーチングを受ける前の転職活動では、スペック面やフルリモートか否か等の条件面で転職候補先をスクリーニングしていました。

でも、自分の幸せを考え始めた時に、候補先の選定に置いて、会社のビジョンも重視するようになりました。それで、何社か応募したら、1番希望していたところに内定を頂いたという感じです。

家庭のストレスの原因は仕事

–お子さんや配偶者の方との向き合い方にも変化はありましたか?

子どもや夫に以前ほどイライラしなくなりました。コーチングを受けたことで、不思議とイライラが減りました。はじめにお話ししたように、仕事のストレスが家庭に悪影響を与えていて、転職により仕事のストレスが減ったことも大きいと思います。

私が余裕を持って子供に接するようになったことで子どもの癇癪も減ったように感じています。コーチング中に、仕事のストレスが子どもや家庭に影響していることに気づけたことも大きかったです。

–ご家庭での問題の根本原因が仕事であることには、どのようにして気付いたのですか?

くまさんとのコーチングではいつも、人生の大テーマの話をする前に、最近の悩みを話すところからスタートしていました。その時に、こんなことやあんなことでイライラしたとくまさんに話したら、くまさんから「どういうタイミングでイライラしましたか?」と聞かれたんです。

「仕事で疲れ切っている中で料理をしている時に、子供が思う通りに動かないとイライラが爆発します。」みたいなことを答えると、くまさんから「もし仕事がなかったらイライラしていますか?」と聞かれて。確かに仕事がなければ、子供が思い通りに動いてくれなくてもそこまでイライラしないかもと気付きました。

–コーチングを受ける前の、配偶者の方に当たってしまう、仕事も子育てもストレスという状況からは脱出されたように思えます。

そうですね。CoParentsのコーチングを受け始めた理由は「夫に当たったりしないように強くなりたい」と思ったからでした。精神面で安定したいなって。

でも、今は強くなりたいとは思いません。もう弱くてもいいやって。ありのままの自分を受け入れられるようになったのも、大きな変化です

–強さに拘らないのは、強さの証明だと思います。

くまさんも同じことを仰っていました。

これで解決するのか不安だった

–コーチングを受ける中で、逆にモヤモヤしたことはありましたか?

ネガティブな感想を頂いたことはありません。ただ、私が最初に抱いていたイメージと違ったことがあります。

体験コーチングの時に具体的な悩みを話したので、その後もその悩みについて話していくものだと思っていました。でも2回目以降は価値観やビジョンに関するワークシートに取り組んだので、「これで最初の悩みが解決できるのかな」と少し不安になったんです。

でも、結果として、自分を知り、幸せの価値観を考えていくうちに、最初の悩みも解決の道が見えました。元々抱いていた、夫に当たってしまうみたいな悩みは点だったと思います。そういう点じゃなくて、もっと根本的な部分から変われたと思います。だから、今後何か悩みがあっても自分で乗り越えられそうな自信がつきました。

–コーチングを受ける時に、特に意識されたことはありますか?

毎回出される宿題をきちんと行うことは意識していました。あと、日々の些細な悩みについても、実践に移せるような会話をくまさんがして下さるので、実践した結果を伝えるようにしていました。

–やったことをくまさんに報告すると決めることで、次くまさんに会うまでにやろう!というモチベーションになりますね。

はい。あと、宿題をすると、くまさんがすごく褒めて下さって、モチベーションになっていました。大人になって仕事以外で褒められる機会は少ないので、それがとても嬉しかったです。

–あと、差し支えなければお伺いしたいことがあります。コーチングを開始されたのは、適応障害から回復してあまり時間が経っていない時だったと思います。コーチングは積極的に発言したり、セッションとセッションの間に仰っていたような宿題など、積極的に行動するものです。正直なところ、その精神状態で辛いと思いませんでしたか?

セッション自体がしんどい、もう受けたくないというのはありませんでした。ただ、必ずしも美しくない部分も含めて自分について話すと、セッション後はぐったり疲れることはありました。自分について話すことに慣れていなかったのもあったと思いますが。

コーチングの敷居よ、下がれ、下がれ

–今後もコーチングを継続される予定ですか?

全6回をもって卒業することにしました。今後悩みがあっても、自分で乗り越えられそうだと感じています。

–どのような方にコーチングをお勧めしたいですか?

自己肯定感が低い人にコーチングを勧めたいです。最初は、コーチングは意識の高い人が受けるものというイメージがありました。バリキャリの人がもっとすごい人になるために受ける、みたいな。

だから、最初は「私が受けても大丈夫かな」と心配でしたが、大丈夫でした。ぜひ、意識が高くない人にも受けてほしいと思います。

–CoParentsへのご要望あればお聞かせください。

コーチング自体の認知度が低いと思います。コーチングを受けていることを仲の良い人数人に話しましたが、コーチングを知らない人がほとんどでした。

若手の人はキャリアコーチングの文脈で、コーチングに馴染みがあるかもしれません。でもママさんだと知らない人が多い。敷居が高いイメージがあるので、もっと気軽に受けられるものだよ、というのが伝わるといいなと思っています。

美容院に行くような感覚でコーチングを受ける感じになってもいいと思うんです。

–本当にそうですよね。ただ、美容院は髪の長さや色が変わるので、成果が見えやすいですが、コーチングは内面の変化なので、わかり辛いですよね。だから、コーチングは怪しいと思っている方も多いので、そこは私達の頑張りどころですね。

わかります。下手したらスピリチュアルな世界に足を踏み入れちゃうんじゃないかなっていう怖さとか(笑)

その点、くまさんはちゃんとした企業に勤めながらコーチングもされているということで、安心感がありました。

–ありがとうございます。これからも信頼して頂けるように頑張ります。宮澤さん、本日はお時間を頂き、ありがとうございました!

おわりに

仕事と子育ての両方にストレスを抱えて、旦那さんに当たっていた宮澤さん。コーチングを通じて、自身の価値観の軸を知り、また根本原因が仕事そのものにあることを突き止めました。仕事も家庭も良い方に向かっているようで、本当に嬉しいです。

そして、「弱い自分でもいい。」「今後悩みがあっても、乗り越えられそう。」そう語る宮澤さんは、もはや強くなることに拘っておられないと思いますが、コーチングを始める前の「強くなりたい。」という願いを実現されたと言えるでしょう。

この記事を読んで、CoParentsのコーチングに関心を持たれた方は、是非体験コーチングをお試しくださいね。

宮澤沙也加さん(仮名)

マーケティング職に従事。30代後半。広告代理店でのキャリアが長いが、現在は事業会社勤務。プライベートでは5歳の女の子のお母さん。

ワーママ向けコーチングCoParents所属コーチ 隈部敦子

隈部 敦子 (木村さん担当コーチ)

CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)

大学卒業後、大手総合食品メーカーで20数年勤務。事業企画・マーケティング・賞伝部門に従事。
プライベートでは高校2年の息子、中学1年の娘と忙しくもにぎやかな毎日を過ごしている。

コーチングとの出会いは子育ての悩みから。仕事・子育てにいっぱいいっぱいですべてが中途半端・・・
一体何のために生きているんだろうという中でコーチングを体験し、人生が大きく変わったと感じている。

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