【イベントレポート】「さようなら、ワークライフバランス」ワーママを苦しめる「100%の呪い」からの抜け出し方

「仕事も子育ても、うまくバランスを取らなきゃ」
「でも、気づけば毎日ギリギリで、自分の心はすり減っていく……」
そんな葛藤を抱えるワーママたちに向けたオンラインイベントが、2026年1月24日に開催されました 。
テーマは、ずばり「さようならワークライフバランス」 。
ゲストは、CoParents所属の隈部敦子コーチ(くまさん)。20数年間同じ会社で働く、高校生&中学生ワーママであり、プロのライフコーチとしても活動しています。かつては自身もワークライフバランスに深く悩んでいたというくまさんと、CoParents代表の古村千尋による、本音全開の対談をお届けします 。
【登壇者プロフィール】

ゲスト:隈部 敦子(くまさん)
大学卒業後、20数年間同じ会社に勤務しながら、週末はライフコーチとして活動 。現在高校生と中学生の子どもたちの出産後に、合計5年(2年半×2人)の育休を取得した経験を持つ 。コーチングとの出会いで人生が変わり、現在は多くのワーママの悩みに伴走している 。趣味はヨガ、キャンプ、藤井風 。

モデレーター:古村 千尋(こむら ちひろ)
CoParents代表。政府系金融機関、国際機関、エネルギー分野のベンチャー企業の勤務を経て、Wharton MBAに進学・卒業。4歳息子の母。この日のイベント直前、愛用のAirPodsをつけ麺の汁に落として壊すというハプニングに見舞われる 。
なぜ私たちはワークライフバランスに苦しむのか?
古村: くまさんはこれまで60人以上のワーママにコーチングをしてこられました。ワークライフバランスで悩んでコーチングを受けるワーママさんが多いですよね。ワーママの皆さんの悩みに共通することはありますか?
くま: 多くのワーママが、過去の働き方の価値観や「産前の100%の基準」を、産後の新しい環境に持ち込んで、その中でバランスを取ろうとして苦しんでいます 。どうしても、子育てに時間を割くために、「仕事の100%」を縮小することでバランスを取ろうと考えてしまうんですよね 。
古村: 体力も時間も有限ですから、何かを削らなきゃと思ってしまいますよね 。
くま: そうなんです。でも、その「仕事の100%」は、過去の働き方ややり方に基づいたものに過ぎません 。仕事のやり方自体を変えることで、産前の「仕事の100%」の概念そのものが崩れて、自分のキャパシティの限界が変わる瞬間があるんです 。ワークとライフのバランスを取ろうとするのではなく、まずは「仕事も子育ても両方やりたい」という本質的な願いを見つめ直すことが重要です 。
仕事も子育ても両方するためには、1人で抱え込まない

古村: くまさん自身の育休明けを振り返って、仕事も子育ても両方するために、どんなふうに仕事のやり方を変えたんですか?
くま:今思えば、ですけど…「時間をかけて自分1人でやる」ということを手放して、「チームでやる」という考え方にシフトしました 。上司や後輩に助けてもらったり、もちろん私も他の方の力になれるように頑張ったり。チーム全体で最高のパフォーマンスを出すという考え方に切り替えました。
でも、責任感が強くて、人に頼るのがすごく苦手な方もしますよね。私も、かつては人に頼むのがすごく苦手だったんです 。でも、自力だけでは限界だなと思ったし、自分1人でやるよりもチームでやった方が良い成果が出ることに気付きました。
古村: チームでやることで仕事は回る一方で、自分自身が仕事にかけられる時間が減ることで、細かい点に拘れなくなったとかはありませんでしたか?
くま: それまでは必要のない部分に拘っていたのかもしれません。不要な拘りを手放すことで要領が良くなり、大事なところを抑えるスピードが上がりました 。チームとして最高のパフォーマンスを出すことに重きを置くようになったことで、限界を突破できたと感じています 。
古村:参加者の方から、「くまさんのお子さんが小さかった頃、仕事と子育ての悩みはありましたか?」という質問が来ています。
くま:私は2人の子どもそれぞれで育休を2年半ずつとりました。2年半とって1年復帰、また二人目で2年半の育休という形です。
二人目の育休があけて復職した時は、洗濯物が溜まって、「保育園に持っていくパンツがない!」って泣きましたね(笑)物理的に回らなくて大変だったことはありました。本当に前も後ろも見えない状況でしたね。
育休を計5年とったのは、「小さいときは子供のそばにいたい」と思ったからでした。でも、そのころ色々時間をかけて公園に行ったことやわざわざ遠くまで旅行に行ったことなど子供たちはびっくりするほど覚えてませんでした。(笑)
まあそういうもんなんですよね。それでも私がしたくてしたことなので後悔はしていませんが。
古村:そういうもんなのですね (笑)
3人のワーママに学ぶ、リアルで多様な選択肢
イベントでは、くまさんとの継続コーチングを通じて、自分なりの答えを見つけた3名のワーママさんの事例が紹介されました 。
※これらの事例は、それぞれの方にインタビューをさせて頂いた際に、インタビュー記事等で内容公開することに予め同意を頂いています。
① 完璧を手放し「カラフルな人生」を選んだAさん
国際機関に勤務するAさんは、育休明けに産前のように働けず、仕事をスローダウンするか、昇進を目指して頑張るか悩んでいました。その答えを出すために、くまさんとのコーチングを開始しました。
しかしコーチング中、仕事の話になるとAさんの目が輝くことにくまさんは気づきました 。Aさんに、「子育てor仕事を選択したいのではなく、仕事も子育てもどちらも頑張りたいというのが本音では?」というフィードバックをします。
「本当は仕事に情熱を持っている。仕事も、子育ても、自分自身の人生も、カラフルに生きたい」 。 そう気づいたAさんは仕事で週末を潰して完璧を求める従前の働き方をやめました。
仕事と家庭の両方を楽しむようになり、結果的に仕事の成果も上げることができました 。
Aさんの詳細はこちら↓

② 仕事をすべて手放し「子どもとの時間」を選んだBさん
Aさんと対照的なのがBさんです。Bさんはお子さんが小学生になって、少し手が離れたところで、「今後の自分のキャリアをどうしよう…」と悩み、くまさんのコーチングを受けました。
キャリアビジョンを明確にするはずが、コーチングを受けた結果、Bさんは当時の契約社員の仕事も、副業にすることを検討していたSNS運用などをすべて辞めることにしました。
くまさん曰く、Bさんは、最も大切にしたかったのは家族の笑顔と子どもとの時間だと気付いたとのこと。でも、当時の仕事が理由で、1番大切なものに思い切り向き合えないことが大きなストレスになっていました 。
1番大切なものを守るために、仕事を手放すという潔い選択でした 。

③ 時短のこだわりを捨て、波に乗るように働くCさん
Cさんは、フレックス兼時短勤務ですが、仕事の帰りが遅くなることが多く、不満に感じていました 。しかし、「仕事が130%になる日があってもいいし、その分、別の日は時短の定時で切り上げて子育てに集中してもいい」という、日々のバランスが流動的であっても良いという考え方を発見しました 。
くまさんはこれを「サーフィンに乗るような感覚」と表現 。自分の「今これをやりたい」という気持ちに従って、日々のバランスを動かしても良いという考え方が、Cさんにとって一番しっくりきたそうです 。
その時の自分が幸せであることを大切にして、ガチガチに生きるのはやめよう、ということになったそうです。

「母はこうあるべき」という幻想からの脱却

古村: みんな本音では「仕事も子育ても全部頑張りたい」と思っているのに、なぜ「バランスを取らなきゃ」「仕事をセーブして子育てをしなきゃ」と悩んでしまうんでしょうか?
くま: 日本の女性が持つ「母はこうあるべき」といった世間の常識や、文脈的なしがらみ、そして何より「思い込み」が大きな影響を与えていると思います 。
「仕事じゃなくて子育てを頑張るべき」とか、誰にそんなこと言われていないのに、そう言われたように思い込んでしまっている可能性もあります 。
だからこそ、一度自分自身を俯瞰して「私はどうしたいのか」を考えることが重要です 。
古村: 参加者の方から、「子どもにかける時間を削ってバランスを取ることに罪悪感がある」というコメントも来ていますね 。この罪悪感の正体は何なのか、本音ではどうしたいのかを良く考える必要がありそうですね。
くま: 私が過去にコーチングさせて頂いた方で、子どもと過ごす時間数に囚われず、気持ちの繋がりや密度の濃い時間を大切にして、充実されていた方がいましたよ 。
古村: 私の叔母も教師をしていて忙しかったんですが、叔母の娘、つまり私のいとことお風呂に一緒に入る時間は大切にしていたそうです。子どもと過ごす時間数ではなく、密度を大切にするという考え方もありますよね。
さようならワークライフバランス。こんにちは本音で生きる私。
イベントの最後に、くまさんは力強くこう語ってくれました。
「自分の中にしかない輝きを掴むことが、必ず幸せな人生に繋がると信じています」
世間の風潮、世間に言われたと思い込んでいること、過去の自分が作った基準に縛られず、自分の心に素直になって、仕事と子育てに向き合う。
そんなくまさんの思いを受けて、最後に古村がこの一言で締めくくりました。
「さようならワークライフバランス。こんにちは。本音で生きる自分、ですね。」
仕事と子育ての答えは常に自分の中にある。その答えはみんな違っていい。このイベントを通して、このメッセージがワーママの皆さんに伝わっていたら嬉しいです。
コーチングは社会や自身の思い込みに囚われずに、自分の本音を見つめることをサポートします。
ぜひこのイベントレポートを読んで、CoParentsのコーチングに興味を持たれた方は体験コーチングをご検討下さい。
