コーチングとは何なのか？プロコーチ座談会Vol.1

コーチングという言葉は、日本ではまだまだ聞き慣れない言葉だと思います。コーチングでワード検索しても、何をするのか、どんな効果があるのか、よく分からないという声も聞きます。

そこで、CoParents所属コーチ3名が、SNSに寄せられたコーチングに対する質問や実際のコーチングで受けた質問にお答えしていきます。コーチングに対する誤解や懐疑的な声に基づく質問もたくさん頂きました。そんな質問にも真摯に向き合って回答しています。

この記事を読めば、コーチングについて正しい知識が身につくこと間違いなしです。この記事を読んでから、コーチングは今のご自身に必要なものか考えていただけたら嬉しいです。

コーチ紹介

聞き手：Coparents代表・古村千尋（ちひろ）

コーチングとカウンセリングとは何が違うの？

ちひろ：まず、そもそもコーチングとは何かを私から説明します。コーチングとは対話を通して、コーチングを受ける人が自分自身で気付き、答えを見つけて、自発的に動いてくことをサポートすることです。

では、最初の質問です。コーチングとカウンセリングとは何が違うんですか？

コーチ一同：これは本当によく聞かれます。

ちひろ：最初にお断りですが、私達はカウンセリングの専門家ではありません。その前提で、コーチの皆さんはコーチングを受ける方にはどのように説明していますか？

ゆうた：カウンセリングは「聞く」がメインの手法です。一方で、コーチングは「対話」がメインの手法です。言葉のキャッチボールの中で自己を深掘りするのがコーチングだと説明しています。

くま：明確に分けられない部分もありますが、私は、カウンセリングは不安やつらさなどご本人にとってマイナスの感情から、元の状態へ戻ることが目的。それに対して、コーチングは元の状態から理想や夢などに向かうことが目的だと説明しています。

あず：私も同じイメージです。カウンセリングは、トラウマのように傷ついた過去から抜け出せないような状態の方を対象にしていると思います。私たちコーチは、そこは専門分野ではないので、扱うことは出来ません。

ちひろ：では、コーチングはどのような方を対象としているのですか？

あず：コーチングは、プラスの方向には向いてるものの、進み方がわからないという方が、自らの意志で踏み出して、歩いていくことをお手伝いするイメージです。そういえば、ゆうたさんはコーチングとカウンセリングを両方どちらも受けたことがあるんですよね？

ゆうた：過去に適応障害になり、カウンセリングを受けました。自分の経験上、過去・現在・未来のどれにフォーカスするかという点もコーチングとカウンセリングの大きな違いだと思います。カウンセリングでは、ほぼ「過去」と「現在」しか話さなかったです。一方で、コーチングは、ほぼ「未来」のことです。過去や現在も話しますが、それは未来を考えるために話します。

くま：加えて、コーチングとカウンセリングの大きな違いの一つに「原因」の扱い方が挙げられると思います。実際にコーチングとカウンセリングを受けたゆうたさんはどう思いましたか？

ゆうた：グッドポイントです。カウンセリングでは、「原因」を特定し、原因に対する向き合い方や対処法を探っていくことが多かったです。ですが、コーチングでは、そこまで原因究明に力を入れません。

くま：やはりそうですか！コーチングでは、例えば、抑えられない怒りがあるとして、その怒りの「原因」解決だけをメインにすることは少ないです。

ゆうた：コーチングでは怒っている自分を俯瞰して、自分がどう思うのか、何を感じるのかを探ります。その上で、自分はこれからどうしていきたいかをコーチと共に探り、具体的な対処法に落とし込んでいきます。

ちひろ：一方で、原因を特定しないと悩みも解決しない気もします。コーチングで原因にフォーカスしないのはどうしてですか？

ゆうた：コーチングの目的は、より良い未来のために、一歩でも前に進む方法を探ることです。原因を特定すればすっきりするかもしれませんが、より大事なのは、原因を受け止めて、次に何をしていくかだと思っています。だから、原因ではなく、未来にフォーカスすることで、前に進むエネルギーが湧くようにサポートします。

コーチングって怪しいの？

ちひろ：では、次の質問です。コーチングにはスピリチュアルで怪しいというイメージがありますが、本当のところはどうなんですか？

コーチ一同：これもよくある質問ですね～

ちひろ：実はコーチングを提供する会社を作ったものの、私も最初はコーチングは怪しいと思っていました。

あず：変なことされそうみたいな感じですか？

ちひろ：そうですね。正直に言うと、胡散臭そうって最初は思ってました(笑)。

くま：コーチングでマインドコントロールされるんじゃないか？みたいなことを言われたことがあります。

ちひろ：CoParentsが提供するコーチングは怪しくないと言えるのか、コーチの皆さんの言葉で読者の方に説明してほしいです

ゆうた：CoParentsのコーチングは自分を大切にすることを最も大事にしますし、答えを自分の外に求めるのではなく、あくまでも自分の中に求めて、自分を信じることをサポートします。信じるのが自分なのだとしたら、怪しくないのでは？と私は思います。

ちひろ：でも、結局コーチングで取り扱うのは、自分の心や考え方の変化といった目に見えないもの。だから怪しく映るというのはあるかもしれないですね。

ゆうた：それは確かにありますよね。例えば、筋トレのように、やったことが目に見えて分かると安心出来ますよね。

一方でコーチングがフォーカスするのは意識の変化です。意識の変化は目には見えないけど、人の全ての行動に影響するので、実はインパクトがかなり大きいです。そのため、コーチングの効果は見え辛いけど膨大なんです。

コーチは何する人？

ちひろ：では、次の質問にいきます。コーチとコーチングを受ける人はどのような関係なのですか？

くま：日本は特にですが、コーチというと、野球やサッカーのコーチが連想されます。そのため、コーチが教えるというイメージや、コーチの言うことに、従わなければいけないというイメージが先行しているように思います。

ちひろ：そういうイメージを持たれている方は大勢いると思います。では、コーチングのコーチの役割は何ですか？

くま：コーチングでは、コーチとコーチングを受ける人はあくまでもフラットな関係だということが前提です。

ちひろ：ただ、関係がフラットと言っても、友達のように相互にアドバイスし合ったり、お互いが悩みを解決し合うということも訳でもないですよね？

ゆうた：役割としては、コーチングを受ける人は、何かに行き詰っている人で、コーチがそれを助ける人・サポートする人という役割です。

ちひろ：それだけ聞くと何がフラットなのか理解が難しいかもしれません。

ゆうた：フラットなのは力関係です。コーチが上で、コーチングを受ける人が下であるとか、コーチの言うことが絶対で、コーチングを受ける人はそれに従うということではありません。

あず：そうですね。コーチから何かもたらされるみたいな感覚じゃないですしね。コーチングを受ける人が答えを持っているという前提で関わるのが、我々のコーチングのベースです。

ゆうた：コーチからの問いは、あくまで自分の中の答えを探るきっかけであって、答えを言う訳ではありません。

くま：仮にコーチから何か提案があったとしても、やるのか、やらないのかは、その人が決めます。

ゆうた：車で例えると、ハンドルは常にコーチングを受ける人が持っています。コーチは、曲がり角になるような質問をしますが、左右どちらに行くかは、コーチングを受ける人が決めます。

終わりに

今回は、コーチングとは何なのか？という様々な疑問についてCoParents所属コーチがお答えしました。未来にフォーカスすること、答えを第三者ではなく自分の中に求めるのがコーチングの特徴だと分かって頂けたと思います。そしてコーチとコーチングを受ける人は上下関係にはないのも大事な点です。

特にコーチングが「答えを第三者ではなく自分の中に答えを求める」という点はワーママには大切です。子供とどう向き合いたいか、仕事とどう向き合いたいかの答えは1人1人違います。そのため、ぜひコーチングで自分と向き合って、自分だけの人生の答えを見つけていただきたいです。

次回は、コーチングを受けるのに向いていない人はどんな人？というテーマで、更にコーチングの中身にフォーカスしていきたいと思います。

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