「コーチングって具体的に何をするんですか?」
「コーチングでは何を話すんですか?」と、よく聞かれます。
Vol 1、 Vol2 に引き続きCoParents所属コーチ3名が、SNSに寄せられたコーチングに対する質問や
実際のコーチングで受けた質問にお答えしていきます。
この記事を読めば、コーチングが具体的にどんな風に行われるのか、何を話すのかが分かって頂けると思います。
この記事を読んでコーチングの全体像が掴んでもらえると嬉しいです。
コーチ紹介
小林梓沙(あず)
出身:大阪府
趣味:ゴルフ・旅行・お笑い・ラジオ
CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)
国際コーチング運盟ICF認定アソシエイト・サーティファイド・コーチ(ACC)
大学卒業後、日系大手総合化学メーカーに就職。11年勤務した後、米国へMBA留学(2年間)。留学中にコーチングに出会い、留学中の心身共に最も辛かった時期を上手く乗り越えられた経験から、コーチングに興味を持つ。ついつい話してしまうような、ユーモアや笑いのある楽しく明るい雰囲気のコーチングが定評。
隈部敦子(くま)
出身:熊本県
趣味:ヨガ・キャンプ・推し活
コーチング資格:CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)
マイストーリー:大学卒業後、大手総合食品メーカーで20数年勤務。コーチングとの出会いは子育ての悩みから。仕事・子育てにいっぱいいっぱいですべてが中途半端…一体何のために生きているんだろうという中でコーチングを体験し、人生が大きく変わったと感じている。まさに仕事と子育ての真っ只中を現在絶賛進行中。
松本 裕太(ゆうた)
出身:大阪府
趣味:フルート演奏・サッカー観戦・映画鑑賞
CTIジャパン/米国CTI認定プロフェッショナルコーチ(CPCC)
大学卒業後、日系大手化学メーカーにて、財務・事業企画・営業を経験し、15年間勤務。
現在は、コーチングを提供しながら、企業研修・パパママ向けワークショップファシリテーター等々、多方面に活動中。
適応障害や不妊治療を経験し、約10年間一人で問題を抱える日々を過ごす中で、パートナーにも言えないようなパーソナルな問題を誰かに聞いてもらうことの重要性や共に未来を考えてくれる人の有難さを痛感し、コーチングを待っている人がたくさん居るはずだ!との想いから、コーチングに従事。
聞き手:Coparents代表・古村千尋(ちひろ)
コーチングってどんな風にやるの?
ちひろ:さて、次はコーチングの1回のセッションの具体的な流れを知りたいという質問が来ています。
ゆうた:CoParentsでは、Google Meetを使用して、オンラインでのコーチングを提供しています。
ちひろ:仕事終わりや休日ご自宅でも受けていただきやすくなればと思い、100%オンラインでやっています。
では、コーチングが始まりました!となったら開口一番は誰が何を話すのですか?
ゆうた:まずは、コーチから今のご自身の状態やコーチングを受ける環境について質問します。
あず:ウォーミングアップのようなものです。まずは、忙しい日常の中で一旦区切りをつけてセッションに集中出来る状態に切り替えることが目的です。また、ネット環境やご家族の状況等々セッションに集中しづらい心配事を共有してもらいます。
くま:コーチとコーチングを受ける方が共通の認識を持つことで、コーチングを受ける方の心が楽になり、コーチングに集中してもらう環境を作るねらいです。
そのあと、コーチングを受ける方からその日に話したいテーマを話してもらって、本題に入っていきます。
ちひろ:コーチングを一度も受けたことがない方からは、「どんなテーマを話したらいいんですか?」という質問をよくされますね。
ゆうた:テーマはコーチングを受ける方が直面している問題であればなんでもいいと思っています。
今まで私が1回目のコーチングで聞いたテーマは、キャリア・育児・ワークライフバランス・パートナーとの関係性・義両親との関係性・ダイエット等々です。
ちひろ:ダイエットまで!とは言え、コーチングで話すテーマにできないものはないんですか?
ゆうた:コーチングを受ける方が直接的・具体的に関わっていないことはテーマになりにくいです。
例えば、「世界が平和になってほしいんです」という話。ただし、「世界平和のために募金活動を開始しようと思っている」となった瞬間に、コーチングのテーマになります。
くま:他には、パートナーや上司の考えや行動を変えたいなど、自分ではなく他人にフォーカスしていることもテーマになりにくいです。
ちひろ:でも、パートナーや上司が原因で苦しいので、何とかしたい!という方も多いと思います。
くま:それは大丈夫です!他の人の話でも、コーチングを受ける方に起こっている感情や状況の話であれば、ぜひコーチに話してください。
あず:そして、お話し頂いたことを入り口に、コーチングを受ける方に起こっていることについて話していきます。コーチングは、あくまでもコーチングを受ける方にフォーカスするということが大事なポイントです。
ゆうた:あとは、最初にお話し頂いたテーマから変わることもあります。
ご本人にとって喫緊のテーマをお話し頂いている中で、実は深層心理には別の問題があることに気付き、テーマが変わることもよくあるんです。
くま:例えば、コーチングの初回で転職の悩みを話した方がいたとします。でも、話を良く聞くとその方は転職したいとは思っていない。実はその方のパートナーがその方の現在の仕事を良く思っていないことが転職を検討しているきっかけだった。
この場合は、コーチングのテーマは転職やキャリアではなく、パートナーとの関係性になります。
あず:コーチングでは、目の前の喫緊の課題を入り口に、コーチングを受ける方の奥底にある本当の感情・気持ち・想いにフォーカスしていきます。
ゆうた:もちろんコーチングを受ける方が最初に話したいと思うテーマは、とても大切なことだと思います。そのため、まずはその方が話したいテーマを話してもらいます。そして、コーチと共に感情や状況を深堀しながら、真に向き合うべきテーマを一緒に決めます。
ちひろ:本当に何を話すべきかはコーチに一緒に考えてもらえるんですね。それは安心しました。
ゆうた:もちろんです。共に真のテーマを探ることも、コーチングにおいては、非常に重要なステップです。
真のテーマを探る過程で、自分が本当に大切にしたい価値観に気付くなど、新たな発見もたくさんあります。
コーチングのステップとは?
ちひろ:ここまで1回のコーチングセッションの流れを話してきました。では、複数回コーチングを受ける場合には、
それぞれのセッションで何をするのでしょうか?
ゆうた:コーチングをどのように進めるかもコーチとコーチングを受ける方が話し合って決めるので、ケースバイケースです。
しかし、CoParentsのコーチングでは「知る」「行動する」という2段階のアプローチを取ることが多いです。
ちょっとみんなで解説しますね。
くま:「知る」というステップは、1.コーチとコーチングを知る。2.なりたい姿を知る。3.自分を知る。この3ステップです。
あず:「コーチとコーチングを知る」では、コーチングを効果的に受ける方法や知っておいて欲しいコーチング用語等を説明します。そして、コーチとコーチングを受ける方がお互いの人となりを深く知り合う為に、それぞれの人生のストーリーを共有して、信頼関係を築いていきます。
ゆうた:「なりたい姿を知る」では、コーチングを受ける方の生きたい人生やなりたい姿を明確にします。
くま:「自分を知る」では、自分の強み・弱みや思考パターンを知ります。同時に、「なりたい姿を知る」で見つけた目標に向って進んでいくために、自分のどんな強みを発揮していくのがよいかを知っていきます。
ゆうた:「知る」が終わった後は、「行動する」です。「知る」ステップで目標が明確になり、自己理解が深まったことで、どんな強みを活かせば目標に近づけるかもわかりました。でもいざ日常生活に戻ると、必ず上手くいかないことがでてきます。
あず:「行動する」ステップでのコーチングは、その上手くいかなかったことをテーマにして、コーチングで改善策を考え、実生活で行動し、それをまたコーチングで振り返り、改善策を考えるというまさにPDCAを回すイメージです。
コーチングでは遠回りこそが近道
ちひろ:ここで私から、コーチングを信用できない全てのワーママを代弁して質問させて下さい!
もちろん私自身はコーチングがワーママの人生を充実させる秘密兵器だと自負していますよ(笑) とはいえ、ワーママは忙しいです。忙しい中で、目の前の仕事や夫婦関係の悩み、言葉にもならないレベルの何となくのモヤモヤを早く解消したいわけです。
そんなワーママにとって、「知る」というプロセスは、遠回りに思えます。なぜ敢えて「知る」をする必要があるのですか?
ゆうた:次々と発生する目の前の課題にただ取り組み続けるのは、走っている方向が合っているのか分からず、とりあえず全力疾走しているようなものです。
くま:そんな状態だと、これで合っているのかな?と、漠然とした不安や焦燥感に襲われ続けることになると思います。
そのため、まずは、今の自分自身の状態となりたい姿とのギャップに気付くことが、より良い未来への大きな一歩だと思います。
あず:私は、日々喫緊の課題に追われている人にこそ、「知る」というステップから始める必要があると思います。一見遠回りに見えますが、自分のなりたい姿や自分自身を知った上で、コーチングを受けることで、コーチングでの気づきや選択が自分に与えるインパクトが大きくなると思います。
くま:私もそう思います。どんな喫緊の課題でも、最終的には自分のなりたい姿に繋がっているはずです。だから自分のなりたい姿への理解を深めずに、課題を解決することは難しいと思います。
ちひろ:なるほど。言っていることは理解はできます。でも「自分のなりたい姿がわかれば、私の悩みは解決するの?」と思う方もいそうです。
あず:もちろん、実際には毎回のコーチングで、目の前の具体的な悩みについても扱いますし、それに対して自分のなりたい姿から逆算して悩みの解決策を話していきます。
ちひろ:では、実際のコーチングのセッションでは、人生の目標やなりたい姿と直近で直面している課題のどちらも扱っていくイメージですか?
ゆうた:その通りです。自分の人生でなりたい姿を「知る」からスタートしますが、最後は日常生活で実践できることに辿り着くようにサポートしますし、日々の具体的なアクションまでコーチングの中で決めていきます。
コーチングの効果はいつから?
ちひろ:では次の質問です。コーチングの理想的な頻度はありますか?
ゆうた:頻度は本当にケースバイケースです。基本的な考え方としては、ご自身の中で、上記に書いたPDCAが回る期間です。実際には、2週間に1度や、1ヶ月に一度の方が多いです。
くま:コーチングの中で辿り着いた行動計画を実際にしてみて、その中での気付きを次回のコーチングの中で話すという
サイクルを繰り返します。行動と学習を繰り返すことで、より自分の生きたい人生に一歩一歩近付いていきます。
ゆうた:お勧めなのは、最初はコーチングの受け方に慣れてもらうために、2週間に一度の頻度でコーチングを受けて頂き、慣れてきたら、徐々に1ヶ月に1回程度に間隔を空けて受けるスタイルです。
くま:そうすることで、徐々にコーチングに馴染んでいき、コーチングを受ける方の中でも、考え方や意識が浸透していきます。
ちひろ:どの程度の頻度でコーチングを受けるべきか、コーチが一緒に考えてくれるのですか?
ゆうた:はい!コーチとコーチングを受ける方で状況を見ながら一緒に決めていきます。
ちひろ:コーチングの効果は何回目から出始めますか?
ゆうた:6回目以降くらいからでしょうか。先ほど説明した中でいくと、「知る」ステップ3回・「行動」ステップ3回以上です。コーチングにおいて、最も重要なのは自分のなりたい姿や自分の特性を知った後の「行動」ステップです。
くま:自分のなりたい姿を分かった上で、日常生活を過ごしてみると、色々なことに気付くはずです。なりたい姿に近づく為に、必要なことが出来ていないことに気付くこともあります。
あず:それまでは「なんとなく満たされていない」というようなモヤモヤ感が、なりたい姿と現実のギャップとして明確な違和感に変わることがあります。こうした新しい気付きを踏まえてどう行動するかが、本当の自分自身の変化に繋がっていきます。
ゆうた:脳の仕組みとしても、人間の意識や行動変化が定着するのに、3ヵ月以上掛かると言われています。その観点でも6回というのは妥当ですね。
くま:1回で考え方に大きな気付き・変化があり、即行動に移せる方もいらっしゃいます。でも、ほとんどの方は、行動に移し、継続することに苦労します。
あず:コーチングで見つけたなりたい姿への変化を目指して日々を過ごす、改善点を洗い出し、行動計画を修正して、
また日々を過ごす。このプロセスを繰り返して、最終的には、何も意識しなくても、なりたい自分になるために必要な行動を日常生活で出来るようになることがゴールです。そこまでいくのに、最低でも6回は必要だと思います。
ゆうた:ちなみに終了するタイミングもコーチとコーチングを受ける方とで相談して決めていきます。コーチ側からセッション頻度の見直しやコーチングの終了を提案する時もあります。
ちひろ:コーチからコーチングの終了を提案するときもあるんですか?
コーチ一同:ありますね!
あず:お話ししている中で、コーチングを受ける方がどういう状態なのかが分かるので、状態をみながら最善策を提示します。
くま:まだその人がなりたい姿になるために必要な意識と行動の変化が定着していないなとか、それは定着したので、
新たに困り事が出来たら話にきてもらうのがいいな、とか。
ゆうた:意識と行動の変化が定着した方だと、コーチとしての関わり甲斐も薄れていきます(笑) そこまで来たらその方はコーチング卒業ですね。
くま:コーチとしては、コーチングを受ける方の人生の変化に立ち会えることが喜びであり、自分自身の生き甲斐です。
コーチングを卒業された方のことも引き続き心の中で応援しています。
終わりに
今回は、コーチングで具体的に何をするのか、どんなことを話すのか、効果がどんな風に現れていくのかについてお答えしました。
コーチングの始まり方や、テーマはどんなものなのか、頻度や必要回数という具体的なイメージを持って頂けたと思いますし、何にフォーカスして話していくのかについてもご理解頂けたと思います。
特にコーチングでは、「知る」というステップが重要という点は、「めんどくさ!」と思った方もいらっしゃったかもしれません。ですが、私達は、一旦立ち止まり、自分や描きたい未来を「知る」プロセスなしで、悩みを解決し、より良い人生を送ることは難しいと考えています。
目の前のことに忙殺されているママさんにこそ、コーチングという日常と切り離された空間で、ゆっくりと自分について考えてほしいです。
次回は、コーチングなんて意味ないんじゃない?というご意見にお答えしたいと思います。
そしてこのブログを読んでコーチングに関心を頂いた方は、ぜひお気軽に体験コーチングをお申込み下さい!